米国務省は10月28日、中国政府の当局者やその代理人が、海外で中国共産党を批判する人々に対して脅迫、嫌がらせ、威嚇を行っているとの認識を示した。米国内でも同様の行為が確認されているとし、中国による国外での弾圧活動は海外の中国系住民を標的とすることが多いと指摘した。台湾の中央社が29日報じた。
米国務省の報道官は中央社の質問に対し、米国は国家主権と地域社会の安全を守り、外国政府による脅迫や強要、危害から国内の人々を保護する方針だと説明した。
中国共産党による弾圧は中国の国境を越えて広がっているとし、中国政府関係者やその代理人が国外の批判者を威嚇していることに懸念を示した。
台湾、監視や暴力的行為への警戒を強化
台湾外交部も、中国による国外での弾圧手段が政治的な脅迫から、デジタル監視、尾行、嫌がらせ、暴力を伴う脅威に広がっていると指摘した。
外交部は、海外に滞在する台湾人の安全を確保するため、予防、保護、対抗措置の3方面から対応を進める方針を示した。海外の代表機関には緊急対応計画の更新を求めている。
台湾の大陸委員会は、中国の関与が疑われる事例として、賴清徳総統の家族に対する米国内での尾行・撮影、蕭美琴副総統の外国訪問中に計画されたとされる車両衝突事件、立法委員の沈伯洋氏に対する監視などを挙げた。
また、中国の習近平国家主席を風刺した芸人、黄逸豪氏が9月に新北市で車にはねられた事件も問題視している。台湾の検察当局は10月21日、中国本土の人物から指示や資金提供を受けて黄氏の公演を妨害しようとした疑いで5人を起訴した。
台湾側はこれらの事例を中国による越境弾圧の一環と主張している。ただし、中国政府は黄氏の事件への関与を否定しており、個別事件における中国当局の関与がすべて司法的に確定したわけではない。
米国務省の今回の発言は、中国による国外での政治的威圧を巡り、米国と台湾がそれぞれ懸念を表明する中で出された。
