中国、米国の対中投資規制拡大案に反発 バイオ技術など対象追加、対抗措置を留保

中国商務省は10月26日、米財務省が22日(米国時間)に公表した対外投資規制の改正案について、中国への投資を差別的に制限するものだと批判し、強く反対する声明を発表した。米国の改正案は、半導体、人工知能(AI)、量子技術などに関する対中投資規制を拡大する内容で、バイオテクノロジーなどを新たな対象に加えることを想定している。中国側は米国に規制拡大の中止を求めるとともに、今後の動向を注視し、対抗措置を取る権利を留保すると表明した。

米財務省、22日(米国時間)に規制改正案を公表

 米財務省の公式発表によると、同省は22日(米国時間)、米国企業などによる海外投資を制限する制度について、新たな規則案を公表し、一般からの意見募集を開始した。

 米国の対外投資規制は、安全保障上重要と判断する技術分野について、米国の資金や専門知識が中国などの企業に提供されることを制限する仕組みである。

 規制は、外国製品の米国への輸入を制限する関税措置や、中国企業への米国製半導体の輸出を制限する輸出管理制度とは異なる。

 米国の投資家や企業による資金提供などを対象とし、一定の取引を禁止するほか、政府への届け出を求める仕組みを設けている。

 今回の改正案では、従来の半導体、AI、量子技術に加え、バイオテクノロジー、高性能計算、極超音速技術などに関する規制の拡大が検討されている。

 ただし、改正案の段階であり、対象となる取引や技術の範囲が最終決定されたわけではない。

中国商務省、「国家安全保障の拡大解釈」と批判

 中国商務省は26日、米国の規制改正案について、国家安全保障の概念を過度に拡大していると批判した。

 商務省報道官は、改正案が中国への投資制限の対象を差別的に広げ、規制を一段と強化するものだと指摘した。

 さらに、米国の措置は米中首脳間で形成された重要な共通認識に反し、両国企業の正常な経済・貿易協力を妨げ、国際経済秩序を損なうと主張した。

 中国側は、米国が経済・貿易問題を政治問題や安全保障問題として扱い、政策上の圧力を加えているとの認識を示している。

 これらは中国政府の評価であり、米国が説明する安全保障上の必要性とは異なる立場である。

対抗措置を取る権利を留保

 中国商務省は、米国の改正案に対して重大な懸念を表明し、強く反対するとした。

 そのうえで、今後の動向を引き続き注視し、必要に応じて相応の措置を取る権利を留保すると説明した。

 ただし、26日の声明では、具体的な米国企業の名称や、発動を予定する制裁措置の内容は明らかにしていない。

 中国が直ちに米国企業への投資禁止や輸出制限を発動したわけではない。

 中国商務省は、米国が市場経済の原則を尊重し、国家安全保障の概念を過度に拡大することをやめるよう求めた。

中国市場への投資継続を呼びかけ

 中国商務省は声明で、中国には巨大な国内市場があり、消費と投資の潜在力が大きいと強調した。

 米国による対中投資規制は、米中間の経済・貿易協力に不利益をもたらすだけでなく、米国企業自身の利益も損なうと主張した。

 米国企業にとって、中国市場は製造業や研究開発、販売などの事業活動の場となっている。一方、米国の対外投資規制は、対象となる技術分野や取引形態によって、投資判断に影響する可能性がある。

 もっとも、規制案の公表だけで、既存のすべての米国企業による中国投資が禁止されるわけではない。

 企業ごとの影響を判断するには、最終的な規則で定められる対象技術、取引の種類、適用除外などを確認する必要がある。

中国でも外国の制限措置への対抗制度を整備

 中国は米国などによる投資や貿易の制限に対応するため、国内法に基づく対抗措置の制度を整備している。

 2026年7月1日に施行された「国務院の対外投資に関する規定」では、外国の政府や国際機関が中国の投資家に差別的な措置を取った場合、中国政府が必要な対応を講じることを認めている。

 同規定は、中国企業の海外投資に対する障壁を調査し、必要に応じて商品・技術の輸出入制限などの措置を取ることも想定している。

 また、中国の国家主権、安全保障、発展上の利益を損なう外国の組織や個人に対し、中国国内での投資や取引を制限する制度も設けている。

 ただし、これらの規定が存在することと、今回の米国の改正案に対して実際に対抗措置を発動したことは別である。

米中の技術投資をめぐる対立が継続

 米国は先端半導体やAIなどを軍事・安全保障に関わる重要技術と位置付け、技術や資金が中国側に移転することを制限してきた。

 中国はこうした措置について、正常な企業活動を妨げる差別的な規制だとして反発している。

 今回の改正案は、規制対象となる技術分野を広げる方向を示したものだが、実際の適用範囲や施行時期については、米財務省の最終規則を確認する必要がある。

 中国商務省は26日の声明で、米国に対し、対中投資制限の拡大をやめ、両国企業の正常な経済協力に適した環境を整えるよう求めた。

出典

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(2026年10月27日)

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