エミレーツ航空A380が杭州に目的地変更 373人が機内に約12時間閉じ込め、熱中症で失神者も

エミレーツ航空A380が杭州へ目的地変更 373人が約12時間機内に閉じ込め

 2026年7月22日午後9時4分、ドバイ発上海浦東行きのエミレーツ航空EK302便(エアバスA380)が、上海浦東国際空港の雷雨による悪天候のため、浙江省の杭州蕭山国際空港へ目的地を変更して着陸した。しかし、乗客373人は着陸後も機内に留め置かれ、2026年7月23日午前7時30分ごろまで約12時間にわたり降機できなかった。機内では空調の不具合により高温状態となり、熱中症の症状を訴える乗客や失神する乗客も出た。中国メディアの新民晩報などが伝えた。

 乗客によると、着陸直後、乗務員は税関や出入国管理当局の許可が下りていないことを理由に降機を認めず、給油後に2~3時間で上海へ向け再出発すると説明した。しかし、その後は出発予定時刻が繰り返し変更され、2026年7月23日午前0時、同3時、同4時30分、同9時と案内されたものの、いずれも実現しなかった。

機材故障と乗務員交代で再出発を断念

 2026年7月23日午前3時ごろには上海へ向け飛行する計画が機内で通知されたが、最終的には機体の技術的不具合が判明し、再出発は中止となった。

 航空関係者によると、当初は給油後に上海へ向かう予定だったが、運航乗務員の勤務時間が法定上限を超えたため交代が必要となった。杭州にはエミレーツ航空の定期便が就航しているものの、運航機材はエアバスA350型機で、A380とは乗務資格が共通ではない。このため上海からA380用の交代乗務員を陸路で派遣する必要が生じた。しかし、交代要員が到着した後に機体の技術的不具合も確認され、上海への飛行は断念された。

空調停止で機内は高温 救急車も2度出動

 長時間の待機中、夜間には飲料やカップ麺が機内へ運び込まれたものの、2026年7月23日未明には空調の効きが悪化し、機内は蒸し暑い状態となった。水や食料も十分ではなく、乗客の不満は次第に高まり、一部の外国人乗客は乗務員に抗議するとともに警察へ通報した。

 乗客によると、熱中症の症状を訴える人が相次ぎ、失神する乗客も出た。救急車は少なくとも2度現場へ出動し、機内では混乱が広がったという。

国際線特有の出入国手続きで降機が遅延

 杭州空港によると、国際線が目的地を変更して着陸した場合、乗客の降機には税関、出入国管理、検疫当局による手続きが必要となるため、空港だけの判断では対応できない。機内アナウンスでも、出入国管理当局が到着するまでドアを開けることはできないと説明された。

 関係機関による調整が完了した後、乗客は2026年7月23日午前7時30分ごろから順次降機し、午前9時ごろまでに全員が杭州空港で入国手続きを終えた。

 エミレーツ航空は杭州空港と連携し、杭州で入国後に現地解散するほか、専用車による上海への移送やホテルの手配を進めている。

補償は未定 機体は杭州で修理継続

 EK302便はドバイ出発前にも約5時間の遅延が発生していた。乗客からは長時間の機内待機や空調停止などを理由に補償を求める声が相次いでいる。

 杭州空港によると、機体は故障の修復作業のため現地に留め置かれている。エミレーツ航空は2026年7月24日時点で、補償内容について正式な発表を行っていない。


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