
西安商業施設でテナント経営者が転落死 市民の抗議活動に発展
【西安=2026年7月3日】中国陝西省西安市の大型商業施設「西安賽格国際購物中心(西安賽格)」で、2026年7月1日午後0時10分ごろ、同施設に出店するテナントの経営者が高所から転落して死亡した。インターネット上では、死亡した男性はスポーツ用品店を運営する陝西利和商貿有限公司の董事長(会長)・厳鵬氏とされ、生前に商業施設側からショッピング券の不正利用を理由に1145万6000元の違約金を科され、経営難に陥っていたとの情報が拡散した。「商業施設に追い詰められた」との見方が広がり、多数の市民による抗議活動へと発展した。
西安賽格前で国歌斉唱 警察ともみ合いも
2026年7月1日夜、西安賽格前には大勢の市民が集まり、商業施設側の対応を批判した。参加者らは国歌を斉唱しながら抗議し、現場で警備に当たっていた警察官とも押し合いになる場面がみられた。インターネット上では、一部の抗議参加者が連行されたとの情報も流れた。
また、市民からは、商業施設側が警察による本格的な現場検証を待たずに遺体を搬送し、現場を短時間で清掃した上で営業を再開したとの指摘が相次いだ。「1時間足らずで通常営業に戻した」「人命を軽視している」などと批判する投稿が広がり、現場周辺には多くの人が集まった。警備員はその後、商業施設周辺に規制線を設置した。
違約金1145万6000元巡る紛争
インターネット上で拡散した書簡や投稿によると、厳氏は2021年、従業員が販売時に商業施設発行のショッピング券を分割して利用したことを理由に、商業施設側から1145万6000元の違約金を科されたと説明していた。
厳氏は、従業員が売り上げを伸ばすために注文を分割し、顧客がより多くの割引を受けられるようにしたもので、自ら指示したものではないと主張。商業施設側は当時こうした運用を黙認していたとしていた。
さらに、違約金の支払い後は売掛金の精算が滞り、商品の仕入れも停止し、資金繰りが悪化したと説明。商業施設側から退店も求められ、その後も協議を続けたが解決しなかったとしていた。
商業施設側「契約に基づく違約金」と説明
西安市雁塔区当局は2026年7月2日、死亡した男性が同施設のテナントの経営者であることを確認し、公安当局の調査により刑事事件ではないと発表した。同時に、市場監督、商務、公安、司法などで構成する合同調査チームを設置し、商業施設とテナント側との商業紛争について調査を開始した。
これに対し、西安賽格は2026年7月2日夜、声明を公表した。2020年の創業7周年セール期間中、利和商貿が運営する4店舗で注文を分割してショッピング券を不正利用する行為が確認され、2021年6月に契約に基づき1154万6000元の違約金で双方が合意したと説明した。違約金は同年中に支払いが完了しており、「違反額の10倍を請求した」とするネット上の情報は事実ではないと否定した。
また、西安賽格は、厳氏が2026年5月25日にも施設内で自殺を図ったものの従業員が救助したことや、スポーツ用品市場の低迷や多額の債務などで経営環境が悪化していたこと、2026年6月30日にも双方が協議を行い一定の解決の方向性がまとまりつつあったことを明らかにした。
一方、インターネット上では「商業施設に1000万元を超える違約金を科す権限があるのか」「なぜこの店舗だけが厳しく処分されたのか」「上級機関による調査が必要だ」など、商業施設側の説明に疑問を呈する声が続いている。
出典
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