
中国商務省が日本の防衛関連20団体を規制リストに追加
中国商務省は2026年6月28日および29日の公告において、「中華人民共和国出口管制法(輸出管理法)」や「中華人民共和国両用物項出口管制条例(デュアルユース物品輸出管理条例)」などの法律・法規の関連規定に基づき、国家の安全と利益を維持し、不拡散などの国際義務を履行するため、防衛研究所など日本の軍事力向上に関与する日本の20団体を、新たに輸出管理の「規制(管控)リスト」(いわゆるエンティティ・リスト)に掲載することを決定したと発表した。
これに伴い中国当局は、輸出事業者に対し、該当する20団体への軍民両用(デュアルユース)物品の輸出を禁止し、海外の組織および個人が中国原産のデュアルユース物品をこれら20団体に移転または提供することを禁止する措置を講じた。現在展開されている関連活動も直ちに停止しなければならない。特殊な事情によりどうしても輸出が必要な場合は、輸出事業者が商務省に個別の申請を行う必要がある。
さらに中国商務省は、デュアルユース物品の最終ユーザーや最終用途が確認できない三井E&S株式会社などの日本の20団体を「ウォッチリスト(注目名単)」に掲載することを決定した。輸出事業者がウォッチリスト掲載団体へデュアルユース物品を輸出する場合、一般許可の申請や、情報を登録・申告する方法での輸出証明取得は認められない。個別許可の申請時には、該当団体に対するリスク評価報告書を提出し、デュアルユース物品を日本の軍事力向上に資するあらゆる用途に使用しない旨の書面による誓約書を提供しなければならない。ウォッチリスト掲載団体であっても、規定に基づき調査への協力義務を履行し、商務省が確認した場合は、リストからの除外を申請し認められることがある。
日本の「新型軍国主義」抑制を主張する中国側
中国商務省の報道官は、今回の措置について、日本の「新型軍国主義」の軽挙妄動を断固として抑制することを目的としたもので、完全に正当、合理的、かつ合法であると強調した。また、法に基づくリスト化は一部の日本の団体のみを対象とし、関連措置もデュアルユース物品のみを対象としているため、日中間の正常な経済・貿易の往来には影響せず、誠実で法を遵守する日本の団体は全く心配する必要はないと言い添えた。
中国側が今回の追加措置を講じた背景として、商務省報道官は次のように説明している。中国側は2026年2月24日にも、日本の「再軍事化」と核保有の企てを阻止する目的で、三菱造船株式会社など日本の20団体を輸出管理の規制リストに、株式会社SUBARUなど日本の20団体をウォッチリストに掲載した。しかしながら、ここしばらくの間、日本側は反省することなく、かえって誤った道を突き進み、「新型軍国主義」の歩みを加速させ、「再軍事化」を加速させ、攻撃性兵器を配備し、海外で攻撃型ミサイルを発射している。また、専門家からは、昨年、日本の高市早苗首相が「台湾有事」を巡り国会で答弁して以来、北京と東京の間の緊張が日に日に高まっていること、および日本側が特に攻撃的な軍事能力を増強していることが中国側の非難を招いているとの指摘が出ている。
今回の追加指定により、中国の輸出管理措置を受ける日本の対象は合計40の企業・団体に達した。今回の制裁は主に防衛、航空宇宙、海洋産業の分野に集中しており、規制対象にはレアアースなどの重要鉱物を含む製品が含まれる。2026年6月29日に中国商務省が発表した、新たに輸出管理規制リスト(エンティティ・リスト)に掲載された日本の20団体は、防衛研究所、陸上装備研究所、艦艇装備研究所、航空装備研究所、日鋼特機株式会社、日鋼YPK商事株式会社、三菱電機防衛・宇宙通信システム株式会社、三菱電機ソフトウェア株式会社、三菱電機エンジニアリング株式会社、三菱精密株式会社、三菱重工海洋科学技術株式会社、三菱重工相模高調、三菱重工ロジスティクステクノロジー株式会社、光和興業株式会社、菱重特殊車両サービス株式会社、三菱重工マリティック株式会社、KGM株式会社、日本飛行機株式会社、フォルトゥーニオ株式会社、青木精密工業株式会社である。また、新しくウォッチリストに掲載された20団体には、三井E&S株式会社、三井物産エアロスペース株式会社テク連(テクニカルセンター)、三菱原子燃料株式会社、富士通ネットワークソリューションズ株式会社、日立ハイテクソリューションズ株式会社、コマツ産機株式会社、沖電気工業株式会社などが含まれている。
日本側の強い抗議と顕在化する経済的影響
この中国側の動きに対し、日本側は一貫して強く反発している。2026年2月24日の第一弾措置の際、佐藤啓官房副長官は記者会見で「断じて受け入れられず、極めて遺憾。強烈な抗議を行い、措置の撤回を求めた」と述べ、外務省の金井正彰アジア大洋州局長も駐日中国大使館の施泳次席公使に対して抗議を行っていた。今回の第二弾の措置を受け、木原稔内閣官房長官は2026年6月29日(月曜日)に、日本はこれらの規制措置とその影響を全面的に精査した上で、必要な対抗措置を講じると表明した。
第一弾の規制リストには三菱造船などのほか、防衛関連産業を中心に三菱重工航空エンジン、川崎重工航空宇宙システム、IHIエアロスペース、さらに防衛大学校などの教育機関や宇宙航空研究開発機構(JAXA)も含まれていた。
経済的な影響もすでに顕在化している。日本経済新聞の報道によると、2026年1月にデュアルユース物品管理規定に基づき対日輸出制限が強化されて以来、日本企業によるレアアースなどの物資の調達にすでに影響が出ている。中国の3月から4月にかけての対日レアアース輸出量は、前年同期比で8割以上減少した。また、2026年5月末には、日本の電機大手である富士電機グループの社員2人が、遼寧省大連市でレアアースを違法に輸出しようとした疑いで中国海関(税関)当局に拘束される事件も発生している。
フィナンシャル・タイムズの報道によると、東京大学経済安全保障情報ラボ(ESIL)の責任者である井形彬(Akira Igata)氏は、今回の最新の規制措置について、サプライチェーン寸断のリスクに対応するため以前から経済安全保障部門を設立していた多くの日本の大企業にとって「重大な局面(キーモーメント)」であると指摘した。これは日本企業と中国の経済的威圧との間の重大な駆け引きの一部であるとしている。
米国のコンサルティング会社「アジア・グループ」のパートナーである陳澍(ベン・チェン)氏はAP通信の取材に対し、北京側が東京側への圧力を強める中、これらの措置は「外交的シグナル」としての役割をより大きく果たしていると指摘。「北京の視点から見ると、日本は双方の関係を安定させるための実質的な行動をとっていない。その上、中国は日本と米国およびその他の潜在的なパートナーとの間で深化しつつある防衛協力に対しても、懸念を募らせている」と述べた。さらに同氏は、短期的には日中関係は脆弱な状態を維持する可能性が高いと付け加え、「双方がこの悪化傾向を食い止めるための行動をとらなければ、関係はさらに悪化する恐れがある」と今後の見通しを語った。
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