シャングリラ会合で日中が激しい論戦 小泉防衛相「日本を新軍国主義と呼ぶのは不合理」

Man in a dark suit speaking at a podium with a microphone, addressing three panelists seated at a blue table in a conference or press briefing setting.

「日本を新軍国主義と呼ぶのは不合理」=防衛相が演説

アジア安全保障会議(シャングリラ会議)が5月29日からシンガポールで開催され、日本の小泉進次郎防衛相は、中国を念頭に「膨大な核兵器と戦略爆撃機を保有する国が、これらを持たない日本を新軍国主義と呼ぶのは不合理だ」と演説し、戦後の平和国家としての歩みを強調した。台湾の中央通信社などが伝えた。

中国の董軍国防相に代わり代表団を率いた国防大学の孟祥青少将らは、高市早苗政権の防衛力強化などを念頭に「軍国主義の有害な遺産を清算していない国に防衛協力を語る資格があるのか」と反発。アジアの被害国への謝罪と反省を厳しく追及、日中両国による激しい論戦となった。

小泉氏は「中国は透明性を欠いたまま軍事能力を急速に拡大させており、国際社会の重大な懸念事項だ」と批判した。

期間中の日中防衛相会談は見送られた。一方、小泉氏は米国のヘグセス国防長官と会談し、迎撃ミサイルの共同開発加速や南西諸島方面の抑止力強化など、日米同盟の緊密な連携を確認した。

激化する歴史認識と防衛政策の衝突

今回のシャングリラ・ダイアローグにおける応酬は、単なる一過性の外交的摩擦にとどまらず、日中双方の国内政治体制および長期的な安全保障戦略が真っ向から衝突した結果といえる。

中国代表団の孟祥青少将が極東国際軍事裁判(東京裁判)の開廷80周年に言及し、戦後秩序の正当性を主張した背景には、日本の防衛政策の転換に対する強い警戒感がある。中国側は、日本が防衛輸出規則の大規模な緩和を行い、軍艦やミサイルなどの武器輸出に踏み切ったことを「再軍事化」の象徴として捉えている。さらに、質疑応答で国防大学の沈志雄大校が「日本はいつアジアの被害国に謝罪するのか」と小泉防衛相を厳しく追及したことからも、歴史カードを用いた国際世論工作を継続する中国側の意図が見て取れる。

一方の小泉防衛相は、中国の「新軍国主義」という非難を虚偽的主張であると断じ、具体的な兵器保有量(核兵器や戦略爆撃機)の非対称性を指摘することで、中国側の主張の矛盾を突いた。日本側としては、第二次世界大戦後の平和国家としての国際法遵守の実績を背景に、国際社会からの信頼をアピールすることで、中国による現状変更の試みに対抗する構えである。

会合の現場で交わされた応酬の深層と中日の主張

会合の現場では、公式演説から質疑応答に至るまで、日中双方による一歩も引かない応酬が繰り広げられた。中国側は、30日の並行分科会において孟祥青少将が「一部の勢力が公然と戦争犯罪を美化し、戦後の平和体制による制約を突破しようとしている」と発言。日本が戦後80年近く維持してきた防衛方針の改定を進めていることへ不快感を露わにした。さらに翌31日午前には、沈志雄大校が「日本の指導者はオーストラリアの戦争記念館で哀悼を示したが、アジアの被害国には同様の謝罪と反省がない」と小泉氏に直接詰め寄り、歴史的反省の不平等を突くことで、日本の国際的立場の揺さぶりを図った。

これに対して小泉防衛相は、沈氏の質問に対し、正面からの歴史的言及は拒否しつつも「より挑戦的な部分に入る時が来た」と応じ、毅然とした態度を崩さなかった。小泉氏は、日本の防衛力整備が特定の国を脅威と見なしたものではないと一蹴した上で、「中国の対外方針と軍事活動こそが、日本および国際社会の深刻な懸念だ」と切り返した。防衛相の演説にみられる「日本には核も戦略爆撃機もない」という論理は、中国の圧倒的な軍事力を浮き彫りにし、国際社会に対してどちらが地域の現状変更を試みているのかを明確に意識させる防衛的な対抗策であったといえる。

国際社会への波及と日米同盟の抑止力強化

今回のシャングリラ・ダイアローグでは、中国の董軍国防相が2年連続で欠席し、2007年以降で最も低い階級の代表団が派遣された。これは、現在の対話環境に政治的基盤が欠如していることを如実に示している。中国の『環球時報』が伝えた専門家の意見にあるように、中国側は日本側に「対話の誠意がない」とみなしており、日中間の意思疎通チャンネルは機能不全に陥っている。

こうした中、日本は日米同盟の基軸をさらに強化することで抑止力を担保しようとしている。シンガポールで実施された日米防衛相会談では、南西諸島方面における対処力の強化が確認された。これは、台湾海峡や南海(南シナ海)における中国の威圧行動に対する直接的な牽制を意味する。防衛産業における日米の緊密な連携は、東アジア全体のパワーバランスに決定的な影響を与える可能性があり、地域の安定に向けた多国間枠組みの重要性が一層高まっている。

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#シャングリラダイアローグ #小泉進次郎 #日中関係 #安全保障

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