
水産庁による4年ぶりの中国漁船拿捕と逮捕の経緯
水産庁九州漁業調整事務所は2月13日、長崎県五島市近海の排他的経済水域(EEZ)において、被疑船「チオントンユィ11998」を拿捕し、被疑者のチォンニエンリー船長(47)を漁業主権法違反(立入検査忌避)の疑いで現行犯逮捕したと発表した。同庁による中国漁船の拿捕は2022年以来となる。(写真は水産庁九州漁業調整事務所の広報資料より)
同事務所の発表によれば、12日午前10時20分ごろ、五島市女島灯台西南約170キロの海域で操業中の当該漁船を漁業取締船「白鴎丸」が発見した。漁業監督官が立ち入り検査のため停船を命じたが、これに従わず逃走したため、同日午後3時17分に強制拿捕に至った。船には船長ら計11人が乗船していた。
台湾の中央通信社や香港01などの報道によれば、船長は13日に事実関係を認め、担保金の支払いを保証する書面を提出したため、同日午後に釈放された。鈴木憲和農林水産相は同日の会見で「外国漁船による不法操業の防止・抑制に向け、今後も毅然とした態度で臨む」と述べ、取り締まりを強化する方針を強調している。
立入検査忌避の背景と日中双方の反応
今回の事案は、衆院選を経て発足した高市早苗政権下での初となる中国漁船拿捕であり、日本側の主権維持に対する姿勢が鮮明となった形だ。拿捕が行われた「日中暫定措置水域」に関連する海域では、漁業および海洋権益をめぐる争いが長期化しており、双方の主張が対立している。
中国外務省の林剣報道官は13日の定例記者会見で、「日中漁業協定を遵守し、公正に法を執行することを望む」と表明し、自国漁民の安全と合法的な権利の保障を求めた。一方、駐日中国大使の呉江浩氏は2月10日の招待会で、現在の日中関係を「国交正常化以来、最も厳峻で困難な局面」と評しており、責任は日本側にあると非難している。
水産庁は近年、周辺海域での不法操業に対する立ち入り検査を継続しており、昨年には台湾や韓国の漁船も拿捕している。今後もEEZ内における違法操業の防止と抑制のため、漁業取締船による厳格な監視が続く見通しである。
現在、日中関係は尖閣諸島周辺を含む海洋問題だけでなく、経済安全保障や歴史認識を巡っても全方位的に緊張が高まっている。中国側は日本の政権交代後の動向を注視しており、今回の拿捕に対しても「公正な法執行」を求める形で牽制を行っている。
[出典]
- 我が国排他的経済水域(EEZ)内における中国漁船船長の逮捕について (水産庁)
- 日本扣押中國漁船逮捕船長 北京:盼公正執法 (中央通訊社)
- 爭議水域衝突 日逮陸船長後放人 (中時新聞網)
- 日本扣押一艘中國漁船並逮捕船長 日媒:晚上已獲釋 (香港01)
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