
日中対話不足に懸念、日本企業の投資判断に影響
日中関係の緊張が続く中、中国日本商会会長でパナソニックホールディングス副社長の本間哲朗は2月10日、北京で記者会見を開き、両国政府間で「十分な対話が失われている」として強い懸念を示した。政治レベルでの相互理解がなければ新規投資は進まず、企業は今後の投資方向に不安を抱いていると強調した。
本間は、日本の高市早苗首相による「台湾有事」発言の影響について「現時点では目立った影響は見られない」としながらも、日本企業と中国地方政府との会合が次第に調整しにくくなっていると指摘する。企業側からは、日中間の航空便の減少が出張や人材交流の障害となっているほか、輸出管理の強化によって事業の不確実性が増しているとの声が上がっている。
そのため多くの企業は、政治と経済を切り分け、企業活動への影響を最小限に抑えるよう求めている。サプライチェーンの再編や経済安全保障の議論が進む中、政府間関係の安定は企業戦略に直結する重要な前提条件となっている。
中国日本商会アンケートが示す景況感と投資意欲
中国日本商会は2月6日、在中国日本企業を対象とした「会員企業景況・事業環境認識アンケート(第8回)」の結果を公表した。有効回答は1427件に上る。
2025年7〜12月期の自社業況は前回調査に比べ小幅に改善した。一方、中国国内の景況については小幅な悪化との見方が示され、業種や地域による格差が浮き彫りとなった。輸出関連やハイテク分野では底堅さが見られるものの、内需依存型の業種では回復の遅れが指摘される。
注目される2026年の投資計画では、59%の企業が投資を「増加または維持」と回答した。競争力の確保、新製品・新サービスの開発、付加価値向上を目的とした前向きな姿勢が目立つ。中国市場の規模や成長余地を踏まえ、多くの企業が依然として重要市場と位置付けていることが読み取れる。
ただし、景況感が「悪化」または「やや悪化」と回答した企業は37%に達しており、楽観一色ではない。
中国景気の先行きと事業環境リスク
アンケートでは、2026年の中国景気について前年より小幅な悪化を見込む企業が多かった。経営上の最大の懸念として挙げられたのは「国際情勢の影響」であり、米中対立や地政学リスクの長期化が企業心理を冷やしている。
事業環境への満足度自体は高水準を維持したが、「事業環境の優位性」はやや低下した。特に「規制執行」や「税関手続き」で国内企業と同等に扱われていないとの認識が小幅に強まっており、公平性への懸念が残る。
景況判断の主な決定要因は「国内需要の動向」が69%で最多となり、「販売価格の動向」41%、「材料価格の動向」31%が続いた。需要とコストの変動が企業収益を左右する構図は変わっていない。
[出典]
- https://www.cjcci.org/userfiles/JP_cjcci_questionnaire_20260210.pdf
- https://hk.on.cc/hk/bkn/cnt/news/20260211/bkn-20260211100316646-0211_00822_001.html
- https://udn.com/news/story/7331/9322879?from=ddd-umaylikenews_ch2&source=ddd_heavy
[関連情報]
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