中国の電気自動車（EV）最大手、比亜迪（ＢＹＤ、広東省深セン市）は最近、最大34％の値引きとなる大規模な販促キャンペーンを打ち出した。同社の動きが注目を集める中、自動車大手、長城汽車（河北省保定市）トップである魏建軍董事長が、BYDを名指しを避けつつも「自動車業界の恒大」と批判した。BYDの広報担当マネージャーの李雲飛氏は8日、「河北の某自動車企業」が世論をあおり、悪意ある告発を行っていると非難し、法的責任を追及する可能性を示した。台湾の中央通信社が伝えた。
魏氏の発言は、BYDを、急拡大と債務過多により破綻した不動産大手の恒大集団になぞらえ、強い危機感を表明したもの。長城汽車は河北省保定市に本社を置くため、李氏の反論が長城汽車を指していることは明白と受け取られている。
複数の中国メディアの報道によると、李雲飛氏は8日、SNSを通じて、「河北の某自動車企業」が2024年後半から、業界内で「高い負債率」、「財務不正」、「監査の不備」「自動車界の恒大」などの話題を繰り返し持ち出し、世論をあおってきたと指摘した。
BYDは5月下旬、中国の電子商取引（EC）のセール「618」に合わせ、大規模な値下げキャンペーンを発表し、最大34％の値下げを含む計22車種の値下げに踏み切った。これが注目を集める一方で、「業界の過当競争をさらに深刻化させ、価格崩壊による産業生態の破壊を招く」といった否定的な見方も多く出た。
その直後、長城汽車の魏董事長は、中国メディア、新浪財経のインタビューに応じ、「一部の自動車企業」が時価総額や株価引き上げに過度に注力しており、それが中国の自動車産業に深刻な脅威を与えていると警鐘を鳴らした。さらに、「すでに車業界における恒大のような存在は現れている。ただし、まだ爆発していないだけだ」と述べ、BYDを名指しこそしないものの強く批判した。
![]()
![]()
◇出典
被暗指中國「車界恆大」 比亞迪回批對手煽動輿論 | 兩岸 | 中央社 CNA
中國電動車龍頭比亞迪日前發動最大降幅達34%的促銷專案後招致側目，中國長城汽車董事長魏建軍更暗指比亞迪是「汽車業的恆大」。比亞迪公關總經理李雲飛今天則暗批長城汽車，指「河北某車企」煽動輿論惡意舉報，該公司將保留法律追訴權。
www.cna.com.tw