深セン男児刺殺事件で中国世論二極化 正当化の意見も

 2024年9月20日深セン米公共放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、広東省深セン市で18日、10歳男児が日本人学校に登校途中、男に刃物で刺され死亡した事件について、中国のネット世論は二極化しており、事件に対する怒りの表明がある一方、日本の過去の侵略戦争の「因果応報」であり犯行を正当化する意見も出ている。中国政府の長期間にわたる反日宣伝が招いた不可避の結果だの書き込みもあった。(写真はVOAのサイト)

 事件について中国の公式メディアは大きく報道していない。しかし、SNS(交流サイト)などでネット民の書き込みが相次いでいる。中国の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」では、ニュースサイト新浪新聞網の元編集者が中国外務省の発表を転載したところ1500本以上のコメントが寄せられた。

 あるネット民は「10歳の子どもを傷つけるなんて、全く狂っている」などと驚きと怒りを表明。別のネット民は「中国政府の長期にわたる反日宣伝により、民間に反日ムードが高まったことが、襲撃の直接の原因だ」と指摘した。 

 一方で、日本の中国侵略に対する「因果応報」、「自業自得」などとして犯行を正当化する投稿も多数に上った。「日本の侵略戦争で死んだ子どもは少ないか」、「日本で殺された中国人も少なくない」などの書き込みも相次いだ。

 事件は日本在住の中国人にも衝撃を与えている。ドイツの国際公共放送ドイチェ・ベレ(DW)の取材に対し、東京の大学院で学ぶ中国人留学生は「日本に対する反発は、中国教育のデフォルト(初期設定)だ。中国人のアイデンティティの一部でもある。悲劇は再び起きるだろう」と述べた。

◇出典

https://www.voachinese.com/a/chinese-netizens-japanese-schoolboy-20240919/7790967.html

https://www.dw.com/zh/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E7%94%B7%E7%AB%A5%E6%B7%B1%E5%9C%B3%E9%81%AD%E5%88%BA%E4%B8%8D%E6%B2%BB%E8%BA%AB%E4%BA%A1%E4%B8%AD%E6%97%A5%E4%BB%87%E6%81%A8%E5%86%8D%E5%8D%87%E7%BA%A7/a-70264138

◇参考情報

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