台湾の中央通信社によると、中国の全国人民代表大会常務委員会は28日、「対外関係法」を可決した。中国の主権、安全、利益に危害を与える行為に報復できると定めており、外国の制裁に対抗する際の法的根拠となる。
米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると同法は、団体と個人が中国の国家利益を損なう活動を行った場合、法的責任を追及できると規定している。米セント・トーマス大学の葉耀元教授は「あらゆる外国人を政治的に統制するのと同じ」と指摘。外国人の反体制活動へ処罰を可能とした「香港国家安全維持法」に近いと述べた。
中国外交トップの王毅・共産党政治局員は、29日付の中国紙人民日報で「対外関係法」が「大国外交に確固たる法的保障を与えるもの」と指摘。覇権主義と強権政治に反対し、対外闘争を行うための法的ツールになると述べた。
台湾のシンクタンク、国防安全院国家安全研究所の沈明室所長によると、同法は「中央外事工作領導小組」が中国の対外政策に責任を負うと規定した。同小組のトップは習近平氏、ナンバー2は王毅氏。沈院長によれば、王氏が中国の外交政策の本音を表明する役割を担うとみられる。
◇出典
https://www.cna.com.tw/news/acn/202306280414.aspx
https://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/zhengzhi/hx-06292023082330.html
◇参考情報