中国メディアの新京報によると、北京疾病対策予防センターの王全意副主任らの専門家が9日、昨年12月以降の新型コロナウイルスの感染拡大の中、北京で新たな変異株の発見はなかったとする論文を、英医学誌「ランセット」で発表した。
中国当局は昨年12月、コロナ感染者を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策を突然中止。感染者が急拡大したため、海外からは変異株が出現しないか懸念の声が上がっていた。このため十数カ国は、中国からの入国者に対する水際対策を強化した。
王副主任らは、22年11月14日から12月22日に採取した413件のサンプルを分析し、この間に変異株の出現はなかったと結論付けた。サンプルのうちオミクロン変異株の派生型のBF.7が4分の3、BA5.2が15%をそれぞれ占めた。
台湾の中央通信社によると、論文執筆者の一人、中国科学院微生物研究所のウイルス学の専門家、高福氏は「北京で感染が急拡大したのは、既知のオミクロン変異株の派生型で、新たな変異株ではない。中国全体でも恐らくこのような状況だろう」と述べた。
南アフリカのステレンボス大のウイルス学の専門家、プライザー氏ら2人は「感染者の急増中に新たな変異株が出現するとしても、今回の研究期間は短か過ぎ、発見できない」と指摘した。
◇出典
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1757331903368115064&wfr=spider&for=pc
https://www.cna.com.tw/news/acn/202302080341.aspx
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