
台湾の中央通信社の1月30日の報道によると、中国の多くの地域で、天然ガスの供給不足が起き、住民の多くが厳寒の中、暖房なしの生活を強いられている。天然ガスの価格が高騰する中、中国地方政府が「ゼロコロナ」政策で予算を使い果たして補助金が払えず、ガス会社などが逆ざや状態にあることが原因だ。(写真は
中央社のサイト画面)
米紙ニューヨーク・タイムズ(中国語版)の29日の報道によると、中国では家庭と会社の暖房で、天然ガスが広く使われており、ネット上には供給不足への怒りの声が満ちている。河北省では1週間に4~5日、厳寒の夜中に暖房が止まることがある。山西省の高層住宅では各世帯の住民が、窓に「冷(寒い)」の文字を貼って抗議した。
ウクライナ侵攻後、ロシアが昨年夏、天然ガスの供給を止めたため、欧州では一時価格が高騰したが、今冬は暖冬のため値下がりした。一方、中国では厳寒のため天然ガスの価格が上昇している。
さらに中国各省の政府は、天然ガスの安定供給のための補助金を削減。中央政府は地方政府に、暖房用の天然ガスの供給確保を求めたが、資金は提供していない。天然ガスは事実上の配給制となっており、各世帯は炊事用の最低量しか供給を受けられず、暖房の必要を満たせていない。
中国の天然ガスは多くがロシア産で、液化ガスを海運で輸入しているが、輸入価格は非常に高い。一方、中国では住民向けの販売価格が規制されているため、ガス会社の仕入れ価格は販売価格の3倍に上昇。工場や商店など事業所向けは価格転嫁できるが、住民向けはできず、ガス会社は逆ざやとなり供給を制限せざるを得ないという。
◇出典
https://cn.nytimes.com/business/20230129/china-natural-gas-shortages/
https://www.cna.com.tw/news/acn/202301300100.aspx
◇参考情報
○電力不足の東北地区で民生混乱 吉林省は石炭輸入急ぐ
○中国東北の多数の都市で停電 石炭高騰、不足が原因か

台湾の中央通信社の1月30日の報道によると、中国の多くの地域で、天然ガスの供給不足が起き、住民の多くが厳寒の中、暖房なしの生活を強いられている。天然ガスの価格が高騰する中、中国地方政府が「ゼロコロナ」政策で予算を使い果たして補助金が払えず、ガス会社などが逆ざや状態にあることが原因だ。(写真は
中央社のサイト画面)
米紙ニューヨーク・タイムズ(中国語版)の29日の報道によると、中国では家庭と会社の暖房で、天然ガスが広く使われており、ネット上には供給不足への怒りの声が満ちている。河北省では1週間に4~5日、厳寒の夜中に暖房が止まることがある。山西省の高層住宅では各世帯の住民が、窓に「冷(寒い)」の文字を貼って抗議した。
ウクライナ侵攻後、ロシアが昨年夏、天然ガスの供給を止めたため、欧州では一時価格が高騰したが、今冬は暖冬のため値下がりした。一方、中国では厳寒のため天然ガスの価格が上昇している。
さらに中国各省の政府は、天然ガスの安定供給のための補助金を削減。中央政府は地方政府に、暖房用の天然ガスの供給確保を求めたが、資金は提供していない。天然ガスは事実上の配給制となっており、各世帯は炊事用の最低量しか供給を受けられず、暖房の必要を満たせていない。
中国の天然ガスは多くがロシア産で、液化ガスを海運で輸入しているが、輸入価格は非常に高い。一方、中国では住民向けの販売価格が規制されているため、ガス会社の仕入れ価格は販売価格の3倍に上昇。工場や商店など事業所向けは価格転嫁できるが、住民向けはできず、ガス会社は逆ざやとなり供給を制限せざるを得ないという。
◇出典
https://cn.nytimes.com/business/20230129/china-natural-gas-shortages/
https://www.cna.com.tw/news/acn/202301300100.aspx
◇参考情報
○電力不足の東北地区で民生混乱 吉林省は石炭輸入急ぐ
○中国東北の多数の都市で停電 石炭高騰、不足が原因か