台湾・中央通信社によると、中国東北地区で23日から、多数の都市で断続的に停電が発生している。現地の報道によると、石炭価格の高騰や発電用石炭の不足が原因。電力会社は、需給逼迫(ひっぱく)で送電網は崩壊の危機にあるが、暖房用の電力需要が増える冬季までに解決するかは不透明だとしている。

 ネット情報によると、東北地区の一部では1日に数回停電。12時間も止まった地域もある。遼寧省と吉林省の複数の都市では23日午後4時に停電が起きたが、同日午後10時になりようやく停電の通知が来たという。

 香港メディアの香港01によると、送電会社の国家電網の利用者用窓口は26日「東北地区ではこれまでも、民生用以外で電力の供給を制限していた。しかし、電力不足が続いているため、民生用の制限も始めた。電力の需給逼迫が改まれば民生用を優先して供給を再開するが、具体的な日時は分からない」と説明した。

 吉林省の送電会社2社の通知によると、今回の停電の原因は、発電用石炭の不足、火力発電所の停止の拡大、再生可能エネルギーの発電容量不足、電力需要の拡大が停電の原因という。

 中国では浙江や江蘇、広東などで電力供給制限が行われているが、いずれも工場などが対象。東北地区のような民生用電力の供給制限は起きていない。

 中国メディアの経済観察報によると、発電用石炭は供給不足のため価格上昇が続いており、発電各社が赤字増加のため発電量の拡大に消極的になっている。また、一部地方の政府が、エネルギー消費削減の国家目標を年内に達成するため、対策を打ち出したことが大きな原因という。

◇参考情報
広東などで電力不足 一部で週4日の停電も
中国陝西省西安で最長15時間停電 他省送電で電力不足か