黒龍江省大慶市で14日、深刻な環境汚染を招く恐れがあるとして、アルミ製品工場の建設に反対し、市民1万人がデモを行った。環境汚染関連で、中国では今年初めての大規模な抗議デモとなった。米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えた。
台湾中央社によると、同市政府は15日、建設工事の一時中止を発表した。一方で16日には、抗議の民衆が警察に逮捕される画像がネット上で流れた。
香港メディアによると、大慶市政府は13日、違法な集会など社会の秩序を乱す行為を取り締まると警告したが、14日、市民約1000人がデモ行進した。
同市政府は、市内の産業集積地の高新技術開発区に、遼寧忠旺集団の大規模な酸化アルミ製品工場を誘致した。工場は年間売上高1500億元(2兆5000億円)に上り、3万人以上の雇用創出が可能と試算している。
市民側は、アルミ工場の建設予定地が水源地に近いのに、事前に告知がなかったとして抗議している。
同市はかつて中国を代表する産油地だったが、資源の枯渇に直面している。市民は「市の指導者は、政治的な実績とGDP(域内総生産)引き上げのため、環境保護と住民の健康を無視し、十分な検証もないまま、汚染工場の誘致を決めた。市民の知る権利を無視している」と語り、反発している。
(参考)http://www.rfa.org/mandarin/Xinwen/12-02142017161133.html