山東建築大学のトウ相超教授(トウは登におおざと)がこのほど、故・毛沢東主席に批判的な言葉をサイトで掲載したところ、大学から退職を命じられた。山東省政府も、トウ教授の省政府参事官などの職を解いた。
ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版によると、中国では毛主席を批判することは現在でも危険で、中国中央テレビ局の元キャスター、畢福剣氏も、毛主席をからかったことをとがめられ、同局の番組に出演できなくなった。
トウ教授はミニブログで「彼(毛沢東)が1945年に死ねば、中国の戦死者60万人は出なかった。58年に死んでいれば、餓死者3000万人は出なかった。66年に死ねば、闘争による死者2000万人はいなかった。彼は76年に死に、われわれはようやくメシが食えるようになった。彼が行った唯一の正しいことは、死んだことだ」などと書いた。
中国のネット上では、トウ教授を熱烈に支持する書き込みがあったが、反対する意見も多く見られた。ネットユーザーは、トウ教授に反対する意見の多くは「五毛」と呼ばれる、ネット上の当局への協力者による発言とみている。 英BBC放送中国語版によると、河南省のテレビ局職員が、「誤った言論」により解雇された。職員は、トウ教授を支援する発言を自身のブログで行っていた。
また、トウ教授を支持する山東省在住の詩人、魯揚氏が山東建築大学前で毛沢東支持派の集団に殴られる事件も起きた。魯氏は「トウ教授の言論の自由を断固として守れ」と書いた標語を手にしして、「トウ賊を打倒せよ」と書いた横断幕を手にした同支持派とにらみ合っていた。
(参考)http://trad.cn.rfi.fr/%E4%B8%AD%E5%9C%8B/20170109-%E9%84%A7%E7%9B%B8%E8%B6%85%E6%95%99%E6%8E%88%E6%89%B9%E6%AF%9B%E5%8F%97%E5%9C%8D%E6%94%BB%E9%81%AD%E5%9A%B4%E6%87%B2%E5%BC%95%E7%99%BC%E6%BF%80%E7%83%88%E7%88%AD%E8%AD%B0