ブルームバーグが消息筋の話として報じたところによると、モルガン・スタンレーの社員が今週、アジアで協議・追跡中の投資銀行案件100件超を記載した内部資料を誤って外部に送信し、同社の案件予備軍に関する詳細が流出した。資料の写しには、中国、韓国、インドなどの新規株式公開(IPO)候補企業が含まれ、主にアジア市場を対象としながら、欧州、中東、アフリカ市場にも及んでいた。関連企業を支援するプライベートエクイティ(PE)ファンドや年金基金の情報、一部の一時停止中の案件も記載されていた。
モルガン・スタンレーのアジア太平洋地域の金融スポンサー部門責任者、モハメド・アトマニ氏は当初、PE業界の一般的な更新情報や最近の取引情報を含む顧客向けの案件リストをメールで送る予定だったが、内部向けの版も誤って送信した。そこには価格に影響し得る機密情報が大量に含まれており、同氏はその後メールの取り消しを試みたものの、成功しなかった。交流サイト(SNS)のインスタグラムにも、ぼかし処理を施した写しを投稿したアカウントがあった。
アトマニ氏は2018年にモルガン・スタンレーに入社し、現在はマネージングディレクターで香港に常駐している。同社は声明で、顧客情報の機密保持を「非常に重視している」とし、「今回の情報誤送信に対応するため迅速に措置を講じ、関係各方面との意思疎通を続けている」と述べた。
報道によると、予定されている株式の割り当て取引の詳細が正式開始前に流出すれば、大口取引を進めている顧客の不満を招く可能性がある。投資家が市場での供給増を見込むことで株価の重しとなり、売り手が得る資金が減少し、銀行による取引執行も難しくなる可能性がある。
個別案件についてコメントしないとした証券監督当局の報道官は、仲介機関には顧客の機密情報を保護し、情報流出による顧客利益への損害や市場の健全性への影響を防ぐため、堅固な内部管理体制を整えることが求められると強調した。
