45秒動画めぐり608日間拘束 広東省恵州の女性に約44万元の国家賠償

中国広東省恵州市で、土地工事を撮影した45秒の短編動画を公開したとして尋釁滋事罪に問われ、608日間拘束された女性に対し、恵州市恵陽区人民法院が43万7220.70元の国家賠償を認めた。女性は二度にわたり一審で実刑判決を受けたが、いずれも二審で取り消され、恵陽区人民検察院は2026年5月、証拠不十分を理由に不起訴を決定した。

女性は羅姚環氏。香港01や星島頭條、中国本土の封面新聞などによると、事件の発端は2021年5月、恵陽区淡水街道当局が農村環境整備を理由に、羅氏の家族が30年以上耕作してきた土地で汚水処理施設の建設を始めたことだった。羅氏側は、施工中に重機が農作物を埋めたとして工事を阻止しようとし、現場で衝突が起きたという。

2022年9月3日未明、工事車両の作業や関係者同士の押し合いを収めた45秒の動画が短編動画サイトに投稿された。同月14日、当時37歳で大学の法学課程を卒業していた羅氏が警察に連行され、その後、刑事拘留、逮捕された。

検察は、羅氏が虚偽の動画を投稿して騒ぎを起こし、公共秩序を著しく乱したと主張した。羅氏は一貫して、自分は動画を制作、投稿しておらず、投稿に使われたアカウントも自身が登録したものではないと否認した。

二度の実刑判決を二審が取り消し

恵陽区人民法院は2023年10月27日、羅氏に尋釁滋事罪で懲役1年8月の判決を言い渡した。羅氏が上訴すると、恵州市中級人民法院は2024年3月1日、事実関係が不明確で証拠も不十分だとして原判決を取り消し、審理を差し戻した。

差し戻し審で恵陽区人民法院は同年9月9日、再び懲役1年8月を言い渡した。羅氏側は再度上訴し、恵州市中級人民法院は2025年7月17日、手続き上の違反があったとして判決を取り消し、再び審理を差し戻した。羅氏はこの間、拘置施設に計608日間収容された。

2回目の差し戻し審が続く中、恵陽区人民検察院は2026年3月24日、証拠不十分で起訴要件を満たさないとして起訴の取り下げを申請。同年5月13日、正式に不起訴を決定した。

不起訴決定では、問題の土地が政府の備蓄用地だったことは認定された一方、動画が羅氏によって虚偽に編集されたのか、投稿者が羅氏だったのかを裏付ける証拠が不足しているとされた。動画サイトのログイン端末やIPアドレスの記録も完全には取得されておらず、投稿者を羅氏と特定できなかった。

電話による謝罪に女性が書面を要求

恵陽区人民法院は7月14日、羅氏に人身の自由を侵害したことへの賠償金30万1531.52元と精神的損害への慰謝料13万5689.18元の計43万7220.70元を支払うと決定した。併せて、影響の除去、名誉回復、謝罪を行うとした。

法院は、608日間に及ぶ拘束が法令上の「重大な結果」に当たると判断。羅氏の息子が母親の連行などをきっかけに深刻な抑うつ症状を発症したことも、慰謝料を算定する際に考慮した。

星島頭條によると、恵陽区人民法院は9月初め、羅氏に電話で謝罪し、名誉回復のための告知を掲示した。しかし羅氏は、電話だけの謝罪では不十分で、告知の掲示場所も人目につきにくいとして、正式な書面による謝罪と公の場での名誉回復を求めている。

欧米主要メディアや台湾主要紙による、この事件に関する独自の詳報は確認できなかった。香港メディアの報道も、事件を最初に詳報した中国本土の封面新聞を主な情報源としている。

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出典

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(2026年9月16日)
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