韓国・光州で9月5日に開幕する国際美術展、第16回光州ビエンナーレを巡り、中国館の展覧会企画チームは3日、主催者が「台湾館(Taiwan Pavilion)」の名称使用を認めたことに抗議し、出展を取りやめると正式に発表した。中国外務省も韓国側に名称の是正を要求した。一方、韓国外務省は、名称を巡る判断は民間の文化芸術分野で行われたもので、韓国政府の台湾に対する基本的立場とは関係がないと説明した。
中国側の不参加は、5日に開幕する麗水世界島嶼博覧会にも広がった。中国浙江省舟山市は2日、すでに設置した宣伝館を運営せず、関連行事にも参加しないと主催者側に通知した。
中国館、記者会見で撤退を表明
中国館の展覧会企画チームは3日、光州市の河正雄美術館で記者会見を開き、全員一致で撤退を決めたと発表した。中国館のキュレーター、阮悦来氏は、主催者が台湾の参加名称を巡って「誤った名称」を使用し、政治的要素を芸術分野に持ち込んだと主張した。会見は質疑応答を行わず、約3分で終了した。
中国館には中国の芸術家やキュレーターら19人が参加し、9月5日から11月15日まで河正雄美術館で作品を展示する予定だった。しかし、中国側は8月28日から設営作業を中止していた。
問題の発端は、光州ビエンナーレ財団が台湾側の出展名称を「台湾館」から、国立台湾美術館の英語略称を使った「NTMoFA Pavilion」に変更したことだった。台湾の芸術家やキュレーターら10人が「政治的検閲だ」と抗議し、韓国の芸術関係者からも台湾側を支持する声が上がった。財団は8月25日、台湾側の要請を受け入れ、「台湾館」の名称を復活させた。
光州市の閔炯培市長は26日、政治や行政の判断が芸術分野に介入してはならないと述べた。これに対し、中国の戴兵駐韓国大使は27日に閔市長と会談し、名称復活への不満を伝えた。
光州市は8月31日、韓国政府の外交政策に従い「一つの中国」を尊重すると表明する一方、「台湾館」という名称は芸術分野で参加者が選んだ表現であり、光州市やビエンナーレが台湾を国家として認めることを意味しないと説明した。
中国外務省が韓国側に是正要求
中国外務省の郭嘉昆報道官は9月3日、ビエンナーレ主催者が「台湾館」の名称を認めたことは「一つの中国」原則に反すると主張し、韓国側に厳正な申し入れを行ったと明らかにした。中国駐韓国大使館も同日、主催者の対応が中韓関係の政治的基盤を損なうとして、名称の是正を求めた。
韓国外務省の朴斗淳報道官は同日の記者会見で、韓国政府の台湾に対する基本的立場に変更はないと説明した。その上で、今回の問題は文化芸術分野における民間の判断から生じたもので、政府の立場とは関係がないと強調し、中韓関係や両国間の交流・協力に影響しないことを望むと述べた。
舟山市、麗水の国際博覧会も不参加
中国側の反発は、光州とは別に開催される麗水世界島嶼博覧会にも波及した。浙江省舟山市は2日、麗水の主催者側に対し、設置済みの宣伝館を運営せず、「Island Friends Day」にも参加しないと通知した。
麗水市と博覧会主催者は、光州ビエンナーレと麗水世界島嶼博覧会は別の催しだと説明し、舟山市に参加を働き掛けている。麗水世界島嶼博覧会は9月5日から11月4日まで開催される予定である。
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