中国・重慶市で9月1日、「未成年者犯罪予防条例」が施行された。学校が児童・生徒のスマートフォンなどの持ち込みや校内での使用を禁止できると明記した。市内全校に一律の禁止を義務付けるものではなく、各校が実情に応じて判断する。福建省や広東省広州市、河南省鄭州市でも、学校での携帯電話利用を制限する地方立法が進んでいる。(中央社)
保護者との連絡手段も確保
重慶の条例第29条が対象とするのは、スマートフォンのほか、タブレット端末や通話・アプリ機能を備えた腕時計型端末など。学校による端末管理を地方の法規に位置付けた。
重慶日報によると、市内の南華中学校は2025年9月から、こうした端末の持ち込みを原則禁止している。特別な事情がある場合は、保護者の同意と書面による申請を求め、審査を経て認める。保護者と緊急に連絡できるよう、校門や寮などに無料の固定電話を設置している。
一方、市内のある小学校では、1人で下校する児童が保護者と連絡する必要性を考慮し、腕時計型端末を学校で預かり、下校時に返す運用を採っている。端末の持ち込みを認める場合も、授業中に自由に使わせず、学校側で管理する仕組みだ。(重慶日報・重慶市人民代表大会サイト掲載)
国の規定を地方でも具体化
中国では国の教育当局も、学校での携帯電話管理を段階的に強化してきた。教育省は2021年の通知で、小中高校生による個人の携帯電話の持ち込みを原則禁止するとともに、学校が携帯電話で宿題を出したり、携帯電話を使って宿題をするよう求めたりすることも禁じた。
2025年に発表した児童・生徒の心の健康対策でも、携帯電話などの電子機器を教室に持ち込むことを厳禁とし、保護者と子どもが一緒に画面から離れる取り組みを奨励した。(中国之声・極目新聞掲載)
端末破壊など過度な処罰も問題に
規制の実施方法を巡っては、学校側の対応が問題になった例もある。香港01が6月に報じた湖南省郴州市の菁華園学校では、没収した多数の携帯電話を人前でハンマーで壊した映像が広まり、批判を招いた。
学校側は、破壊したのは没収後に長年引き取り手がなかった端末で、児童・生徒に持ち込まないよう警告するためだったと説明した。一方、地元教育局の職員は、引き取り手がいなくても個人の財産であり、学校の対応は不適切だと述べた。(香港01)
中国之声の取材に対し、中国教育科学研究院の儲朝暉研究員も、回収した端末を破壊する方法を批判した。学校は処罰より教育を通じて規則の順守を促し、児童・生徒が自分で行動を管理する力を育てるべきだとしている。(中国之声・極目新聞掲載)
(2026年9月2日)
#重慶 #スマートフォン #学校 #未成年者犯罪予防条例 #中国教育省 #湖南省 #郴州
