ロシア極東の化工施設で火災、中国人6人死亡・9人不明 中露合弁の大型建設現場

ロシア極東アムール州で建設中のアムール天然ガス化工総合施設(AGCC)で8月25日、火災が発生し、中国人6人とロシア人1人の計7人が死亡、中国人9人が行方不明となった。計152人が医療救助を求め、このうち36人が入院した。死亡・行方不明となった中国人はいずれも建設プロジェクトの請負企業の従業員だった。

今回、中国人に多数の被害が出た背景には、同施設が単なるロシア企業の工場ではなく、ロシアの石油化学大手シブールと中国国有石油化学大手、中国石油化工集団(中国石化、Sinopec)が共同で進める巨大プロジェクトであることがある。施設はまだ操業を開始しておらず、建設や生産開始に向けた準備が進められていた。

中国石化が40%出資する中露共同事業

アムール天然ガス化工総合施設は、シブールが60%、中国石化が40%を出資する中露合弁事業である。中国石化とシブールは2019年に合弁会社設立に向けた主要条件について合意し、大型石油化学拠点の建設を進めてきた。

施設では完成後、年間230万トンのポリエチレンと40万トンのポリプロピレンを生産する計画で、合計年産能力は270万トンに上る。世界最大級のポリエチレン・ポリプロピレン生産施設の一つになるとされる。

建設には大規模な労働力が投入されてきた。シブールが2024年に公表した情報では、建設には1万6000人を超える作業員が動員されていた。ロシアでは大型産業・インフラ建設で中国人を含む外国人労働者が働くケースがある。今回の事故で死亡した中国人6人と行方不明の中国人9人についても、施設運営会社は請負企業の従業員だったと説明している。

ただ、事故発生時に現場で働いていた中国人の総数や、中国人従業員が所属していた請負企業の名称などは明らかになっていない。

152人が医療救助、36人入院

施設側によると、火災では計152人が医療救助を求め、このうち36人が負傷の程度に応じて入院した。残る116人は治療を受けたが、入院の必要はなかった。

ロシア非常事態省は医療関係者や設備を乗せたイリューシン76輸送機を現地に派遣し、一部の負傷者を連邦レベルの医療機関に移送した。

事故直後には死傷者数について異なる数字が伝えられた。25日の初期発表では死者1人、負傷者100人以上とされていたが、捜索が進むにつれて死者数が増加。26日には7人の死亡が確認され、うち6人が中国人だった。中国人9人については引き続き行方が分かっていない。

熱分解装置の補助工程区域で火災

初期調査によると、火災は施設の熱分解装置の補助工程区域で発生した。主要設備に被害はなく、火は既に消し止められた。搜救活動と事故原因の調査が続いている。

財新は火災と爆発が発生したと報じている。ただ、火災が発生した詳しい経緯や原因について、施設側や当局から最終的な調査結果は発表されていない。

中国駐ハバロフスク総領事館は事故を受けて作業部会を現場に派遣した。ロシア側やプロジェクト関係者と連絡を取り、中国人負傷者への治療や死亡者への対応、遺族への支援などを進めている。

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