中国経済衰退で米国に「絶好の好機」?過剰輸出に頼る北京の構造的弱点とG7が取るべき新戦略

アメリカの調査会社ロジウム・グループ(Rhodium Group)のパートナーであるローガン・ライト氏は、2026年7月23日発行の外交・国際政治の専門誌『Foreign Affairs』(フォーリン・アフェアーズ)で、中国経済の構造的減速がアメリカとその同盟国にとって長期的な優位を確立する決定的な戦略的機会をもたらしていると述べた。

ライト氏は、アメリカが直面する中国の脅威の質が激変したと指摘する。過去のような台頭する経済大国との競争ではなく、現在の本質は中国国内の経済減速と財政・金融システムの機能不全にあるという。膨大な不良債権と不動産市場の崩壊により国内需要が消失した結果、中国は成長を世界市場への輸出へ依存せざるを得なくなっている。余剰生産物の海外流入は輸出シェアを高めているものの、世界GDPに占める中国の割合は2021年をピークに低下しており、アメリカとの経済力格差は再び拡大している。

ライト氏は、北京の最大の弱点が「成長維持のために海外消費市場の開放を保ち続けねばならない点」にあると分析する。もし輸出市場が塞がれれば、中国国内でデフレや資本流出、金融不安が深刻化し、軍の近代化や技術革新のための財政資源も圧迫されることになる。そのため中国は、希少資源などの供給制限や貿易脅迫を強め、西側諸国の産業基盤を揺さぶろうとしている。

これに対しライト氏は、アメリカやG7などの先進国が結集し、セクター別の貿易防衛策や輸入制限、技術基準の設定といった需要側の制御を行うべきだと提言する。最終消費市場の大部分を西側に依存する中国にとって、市場アクセスを制限されることは致命的な打撃となる。この戦略競争を「能力開発の競争」ではなく「デカップリングのペースを巡る交渉」と捉え直し、西側が需要というレバレッジを活用すれば、中国によるサプライチェーンの兵器化を抑制し、外交・安全保障上の主導権を握ることができると主張している。

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