
日中関係悪化の中で日商が8年ぶりの単独訪中団派遣を決定
日中関係の緊張が続く中、日本商工会議所(日商)が6月21日から24日にかけて、中国・北京へ視察団を派遣することが分かった。日商が単独で訪中団を派遣するのは2018年以来、8年ぶりとなる。
日本の高市早苗首相が「台湾有事」を巡る発言や国会答弁を行って以降、両国間では政府間の閣僚級対話だけでなく、経済界や文化層の交流も停滞している。さらに、日本からの訪中観光客が9割激減するなど関係が急速に悪化している。こうした背景の中、経済交流を通じて対話の窓口を維持することが今回の訪問の目的である。
大規模訪問団の延期長期化を受け日商が単独視察を企画
日本の経済界は、日中経済協会、日本経済団体連合会(経団連)、日商の3団体トップらが参加する大規模な訪問団をほぼ毎年組織し、中国との交流を続けてきた。2026年も1月に北京への訪問が予定されていたが、日中関係の悪化によって延期が決定し、その後も日程を固められない状況が長期化している。今回の単独視察は、大規模訪中団の再開が見通せないことを受けて日商が企画した。台湾の中央通信社などもこの動きを伝えている。
今回の訪中団には、日商の会員である中小企業12社から、幹部ら約20人が参加する見込みである。滞在期間中は、北京で22日から26日まで開催される「中国国際サプライチェーン促進博覧会」に合わせて現地を訪れる。
北京で京東集団との商談やロボット・AI企業の視察を実施
訪中団は現地で、中国の大手EC企業である京東集団(JDドットコム)とのビジネス商談を行う。さらに、ロボットなどの自律行動を可能にする「フィジカルAI(物理AI)」技術や人工知能(AI)を視察するため、人型ロボット企業の「Galbot」などのAI企業を訪問する。
日本の経済貿易団体は、大規模な訪問が難しい中でも、様々な方法で対話の維持を試みている。1月の訪中延期後、日中経済協会の視察団は5月に5日間の日程で、メーカーや商社などの企業関係者約30人で構成される小規模な訪中を実施した。一行は上海市や浙江省杭州市を訪れ、ロボットの研究開発と応用の最前線を視察している。
経済界は小規模往来の積み重ねによる関係維持を模索
日中経済協会は今後、こうした小規模な交流を増やす計画であり、2025年には2回にとどまっていた視察を、今後は2か月に1回のペースで実施することを検討している。具体的には、2026年7月に産業発展の軸足がAIや半導体へと移りつつある安徽省合肥市への訪問を計画しており、会員企業から30人ほどの参加を想定している。同協会は2026年年内中に、このような小規模訪問団をさらに2回ほど実施することを目指している。
なお、別の経済団体である日本国際貿易促進協会の代表団も当初6月21日から24日まで北京を訪問する予定であったが、同協会の河野洋平会長が6月8日に死去したため、今回の訪中日程は延期となっている。政府間の冷え込みが長期化する背景にあっても、日本の経済界は小規模な往来を積み重ねることで、中国側との関係維持を模索し続けている。
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