
ルビオ米国務長官が中国を非難「いかに検閲を重ねても過去は消せない」
1989年6月4日に中国当局が北京の天安門広場周辺で民主化デモを武力鎮圧した「六四天安門事件」から37周年を迎えるにあたり、米国のルビオ国務長官は3日、書面によるプレス声明を発表した。ルビオ氏は「いかに検閲を重ねようとも過去を消し去ることはできない」と中国政府を強く非難し、表現の自由や平和的集会という侵すべからざる権利のために命を捧げた中国の学生、労働者、その他の市民らは、いつの日か必ず名誉回復されるだろうと述べた。米公共放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)などが伝えた。
今回の米国側による追悼の動きは、わずか数日前にトランプ米大統領が訪中を終え、習近平国家主席と会談したばかりのタイミングであり、中国政府を激怒させることが確実とみられる。ルビオ氏は「我々は彼らの命を記憶に留め、彼らが残した遺志を追悼する」とし、基本的人権を求めた犠牲者の精神的遺産を高く評価した。米中首脳会談の直後にこのような強い非難声明を出した背景には、中国に対する外交的圧力を維持するとともに、国際社会における人権擁護の主導権を確保する米政権の政策意図が透けて見える。
中国国内で強化される記憶の抹殺と社会統制の現状
一方、中国国内では当局による記憶の抹殺と社会統制が強化されている。人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は1日、中国政府が1989年の天安門事件の記憶を消し去るための取り組みを強め、全国規模で社会統制をエスカレートさせているとの公報を発表した。HRWの中国部門研究員ヤルクン・ウルヨル氏は「中国政府は歴史を隠蔽することで、将来にわたり基本的人権が尊重されるという希望をも圧殺している」と厳しく非難し、政府に対して情報の検閲停止や遺族への賠償、不当に収監されている人々の釈放など6項目の具体的措置を講じるよう求めた。
さらに、事件の受難者遺族グループ「天安門の母」に対する打圧もエスカレートしている。今年は5月中旬のトランプ氏訪中を警戒し、例年(5月中旬頃)より大幅に早い4月末から警察の監視が前倒しで配備された。遺族の一人である張先玲氏は、自宅の楼下に警察官や車両が配置され、海外メディアの取材を受けることすら完全に遮断されている現状を明かした。さらに、30数年目で初めて事件当日の公墓参拝や追悼の辞を述べること自体が公安当局から一律に禁止された。別の遺族は「今後の清明節や六四でも阻止されるのだろうか。ほんのわずかな哀悼の意を捧げることさえ許されないのか」と悲痛な訴えを上げている。
遺族らの抗争と習近平政権による歴史の隠蔽工作
情報封鎖が徹底される中、遺族らは国に真相究明を求め続けている。「天安門の母」は30年以上にわたり、「天安門事件の真相公表」「遺族への合理的な賠償」「責任者の法的責任追及」という三大訴求を掲げて抗争を継続してきた。今年発表された追悼文では、1989年6月3日から4日にかけて発生した惨劇が、少数当権者の命令と軍隊の関与によって引き起こされた「中国憲法および人間性に背く凄惨な国家暴挙」であると改めて断罪している。記録されている中での最年少の犠牲者は、わずか9歳の児童であった。
また追悼文では、習近平国家主席が2025年11月の胡耀邦元総書記の記念演説において「誤りがあれば必ず正す(有錯必糾)姿勢」を称賛したことに言及し、現国家指導者もその精神を拠り所として勇気を持って歴史的責任を引き受け、司法・立法手続きを通じて問題を公正に解決するよう呼びかけた。しかし、習近平政権の政策意図はこれとは真逆にある。習政権は胡耀邦の「党への忠誠」のみを強調し、学生運動の引き金となった同氏の死や自由派的な側面、そして天安門事件との重大な関連性を徹底的に回避している。現在も中国本土の教科書や主流メディア、SNSでは「八九六四」に関する情報が完全にフィルタリングされており、「天安門」という地名そのものの議論さえ検閲の対象となるなど、事件の記憶を社会から完全に消し去る産業構造的な情報封鎖が今なお敷かれている。
[出典]
- 法国国际广播电台(RFI):卢比奥:任何审查都无法抹杀六四事件
- 美国之音(VOA):六四死难者终将得到昭雪:卢比奥国务卿就天安门广场屠杀事件37周年发表声明
- 中央通讯社(CNA):盧比歐:中國審查無法抹去六四歷史 受害者終將平反
- 自由亚洲电台(RFA):”六四”37周年前夕 “天安门母亲”群体首度被禁公墓祭奠
- 德国之声(DW):“六四”37周年前夕 中国政府加强监控“天安门母亲”
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