上海日本料理店切り付け事件で日本人負傷 浦東の金融街で発生、中国で再燃する日本人安全問題

上海浦東の日本料理店で切り付け 日本人2人含む3人負傷

中国・上海市浦東新区の世紀大道にある上海環球金融中心3階の日本料理店「銀平(Ginpei)」で19日午後0時25分ごろ、59歳の楊容疑者が果物ナイフを使って店内の客らを切り付け、3人が負傷した。共同通信によると、負傷者のうち2人は日本人で、けがの程度は明らかになっていない。上海市公安局浦東分局は、通報を受けて駆け付けた警察官が楊容疑者を現場で拘束したと発表した。台湾の中央通信社や香港メディアなども相次いで報じた。

公安当局によると、負傷者3人は病院に搬送され治療を受けている。警察は捜査の過程で、楊容疑者に言動の混乱や異常行動が見られ、精神疾患の治療歴も確認されたとしている。事件の詳しい経緯を調べている。

現場となった「銀平」は、上海では比較的知名度の高い日本料理店で、刺し身やうな重、ランチ定食などを提供している。店舗が入居する上海環球金融中心周辺は、金融機関や外資系企業が集積する上海有数のビジネス街で、日系企業も多数進出している。店頭には中国語と日本語を併記した案内やプリペイド入金キャンペーンのポスターも掲示されており、日本人客の利用が多かったとみられる。

ビル内の日系企業で働く日本人男性は、「事件があったと聞き、店の様子を見に行った。現場には5~6人の警察官がおり、やや緊張した雰囲気だった。普段から利用していた店なので驚いた」と話した。現場では、腹部から血を流した人物が座り込む様子も確認され、警察官や救急隊員が対応に追われたという。

深セン・蘇州事件に続く衝撃 中国で高まる日本人安全リスク

今回の事件は、2024年に中国で相次いだ日本人襲撃事件を再び想起させている。2024年9月には、広東省深セン市の日本人学校に通う10歳の中日ハーフの男児が通学途中に刃物で襲われ、その後死亡した。男児は母親の目前で腹部や太ももを複数回刺された。この事件は日中両国に大きな衝撃を与え、日本政府は中国側に安全確保を強く求めた。

また同年6月には、江蘇省蘇州市で日本人の母子がスクールバスを待っていた際、中国人の男に襲撃された。男は日本人学校のバスに乗り込もうとし、中国人女性の胡友平さんが制止した際に刺され、その後死亡した。中国国内では「個別事件」との説明が繰り返されているが、日本企業や在留邦人社会では不安が根強い。

特に近年は、台湾問題や安全保障問題を巡る日中関係の悪化に加え、中国国内の景気低迷や失業率上昇などによる社会不満の高まりも指摘されている。中国では無差別的な刃物事件が断続的に発生しており、公安当局は精神疾患歴を背景とするケースとして処理することが多い。一方、日本企業関係者の間では「外国人や日本人が標的になっているのではないか」と警戒感が広がっている。

上海は中国最大級の国際都市であり、特に浦東新区には金融、半導体、製造業関連など多くの日系企業が拠点を置く。日本料理店や日本人向けサービスも集中しており、駐在員や家族の生活圏となっている。それだけに、今回の事件は在上海日本人社会に強い衝撃を与えている。

中国当局は近年、外資誘致や外国企業の投資維持を重視しているが、日本人を含む外国人の安全確保への不安が続けば、企業活動や人的往来にも影響を与える可能性がある。日中関係が冷え込む中、日本企業側では駐在体制や安全対策を見直す動きが広がる可能性もある。

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