
北京で「両会」控え厳戒態勢 市内各所で検問
中国の重要政治日程である全国人民代表大会(全人代)と全国人民政治協商会議の「両会」が5日と4日にそれぞれ開幕するのを前に、北京市当局は安全保障体制を大幅に強化し、市内の主要箇所で厳重な警備を敷いている。台湾の中央通信社などが伝えた。
2月28日、北京市の尹力市委員会書記と殷勇市長は、都市運営や交通、医療などの保障業務を実地点検した。警察当局は3月1日から12日まで北京全域での空域管理を強化し、無人機や気球、凧などの飛行を全面的に禁止した。王府井や長安大街など主要道路には多数の公安車両が配備され、武警によるパトロールや身分証・手荷物の検問が実施されている。
代表団の宿舎となる「北京飯店」周辺にはフェンスが設置され、例年以上の警備員が配置された。一方で、旧正月直後の開催ということもあり、街中には正月の余韻が残るなど例年ほど厳粛な雰囲気一色ではないとの観察もある。今回の両会では、次期中期経済計画である「十五五(第15次5カ年計画)」の計画要綱案が審議される。
強化される空域制限と都市機能の「保障」
今回の警備強化で際立っているのが、ハイテク機器を用いた脅威への対策だ。北京市公安局が発令した通告によれば、航空交通管理機関の承認がない限り、管制空域内でのドローン(無人航空機)の飛行は一切認められない。この規制は3月1日の午前0時から12日の深夜24時まで、北京市の行政区域全域に適用される。単なるドローン禁止に留まらず、気球や凧など「飛行の安全に影響を及ぼす物体」を幅広く対象に含めている点は、物理的な妨害だけでなく、不測の事態を徹底的に排除しようとする当局の強い意志が伺える。
尹力書記が点検の際、宿泊施設の接遇サービス向上を指示した背景には、世界が注目する政治イベントとしての対外的なイメージ戦略も含まれている。単に「守る」だけでなく、都市運営を円滑に「回す」ことも、北京が履行すべき重大な政治責任と位置付けられているのだ。
産業界が注視する「十五五」計画の重要性
今回の両会で最も注目されるのは、国家「十五五(第15次5カ年計画)」計画要綱案の審議である。これは2026年から2030年までの中国の経済・社会発展のグランドデザインを描くものであり、産業構造の転換を目指す中国にとって極めて重要な意味を持つ。
特に、製造強国の実現、デジタル経済の加速、そして脱炭素社会への移行が柱になると予測される。サプライチェーンの自立自強を掲げるなか、半導体や新材料などの先端産業への投資がどのように具体化されるかが焦点となる。
国際社会にとって、今回の両会は中国が内需拡大と対外開放のバランスをどう取るかを見極める重要な場となる。経済成長の鈍化が懸念されるなか、「十五五」計画で示されるマクロ経済目標や外資導入方針は、世界経済の動向に直結する。安全保障の強化という「内向き」の警戒と、次期5カ年計画による「前向き」な経済成長の提示。この両輪がどのように北京の春を彩るのか、世界中がその行方を注視している。
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