中国が日本渡航自粛をまた勧告 大阪の500万円強奪事件受け

中国、日本渡航自粛を再勧告 大阪強盗事件受け

中国駐大阪総領事館は26日、大阪市住吉区で中国人が襲撃され現金を強奪された事件を受け、日本の治安が悪化しているとして、中国市民に対し日本への渡航を避けるよう改めて呼びかけた。中国当局による渡航自粛勧告は2月に入り3度目となる。香港メディアなどが伝えた。

総領事館によると、25日、大阪市住吉区の路上で中国人が正体不明の人物に襲撃された。現金500万円が入ったリュックサックを奪われ、犯人は逃走中という。総領事館は直ちに地元警察へ申し入れを行い、事件の早期解決と在日中国人の生命・財産の安全確保を求めた。

中国側は、日本国内で類似事件が相次いでいると主張する。2月15日には大阪市中央区道頓堀で刺傷事件が発生し、18日には北海道札幌市で日本人男性が香港人観光客に暴行を加える事件があった。これらを踏まえ、中国当局は日本の治安環境は不安定だとの見方を示している。

在日中国人や訪日予定者に対しては、多額の現金を持ち歩かないこと、夜間の単独行動を避けること、緊急時の連絡手段を確保することなど、自己防衛の徹底を呼びかけている。

背景に日中関係の緊張 政治要因も影響

中国側の対応には政治的背景も透ける。2025年11月7日、高市早苗首相が国会答弁で「台湾有事」に言及した際、中国外務省は強く反発した。これ以降、中国外交部や駐日大使館は、日本の安全環境が悪化したとの主張を繰り返し、渡航自粛の通知を継続的に発出している。

今回の中国 日本 渡航自粛 勧告は、単なる治安問題への対応にとどまらず、外交カードとしての側面も否定できない。中国は近年、特定国との関係が悪化した際、観光や人的往来に関する注意喚起を通じて圧力をかける手法を取ってきた。日本は訪日外国人の中で中国人観光客の比重が高く、インバウンド需要は小売り、百貨店、ホテル、交通、地方観光地の経済を支える重要な柱となっている。

観光庁統計によれば、コロナ後の回復局面で中国人訪日客は再び増加傾向にある。仮に渡航自粛が長期化すれば、観光関連産業への影響は避けられない。特に関西圏は中国人観光客の人気が高く、大阪や京都、奈良の消費動向に波及する可能性がある。

一方で、日本国内の治安統計全体を見ると、凶悪犯罪発生率は長期的には低水準で推移しているとの見方もある。個別事件をもって国家全体の安全環境を評価することの妥当性を巡っては議論がある。

日中関係は、経済的相互依存が強い一方で、台湾問題や安全保障を巡り緊張が続く構造にある。人的往来は両国関係の安定装置としての役割も担ってきたが、今回のような渡航自粛勧告が重なれば、市民レベルの交流にも影を落としかねない。

冷え込む政治関係と治安問題が結び付けられる構図は、外交と内政が交差する典型例といえる。今後、事件の捜査進展とともに、中国側の対応がどのように変化するかが注目される。

[出典]
中央通訊社:日本治安惡化?中國再籲公民暫避赴日 大阪中國人遭搶500萬日圓
文匯報:中國公民大阪街頭遇襲失500萬日圓 駐大阪總領館促保障安全
星島頭條:遊日注意|中國公民大阪街頭遇襲 500萬日元被搶

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