第2次高市内閣が発足 中国政府シンクタンク研究員が分析する対中外交の限界と課題 

第2次高市内閣の船出と中国側の冷徹な視線

高市早苗氏は2026年2月18日、衆議院選挙後の第221回特別国会において第105代内閣総理大臣に再指名された。同日夜には日本維新の会との連立による第2次高市内閣が発足し、閣僚全員が留任する形で政権運営の継続性が強調されている。しかし、この再選に対し、隣国である中国の視線は極めて冷ややかだ。

中国外交部(外務省)直属のシンクタンクである中国国際問題研究院(CIIS)の項昊宇(コウ・コウウ)研究員は、中国メディアの環球網などを通じ、高市政権の先行きについて厳しい予測を示している。項氏によれば、高市首相は強いリーダーシップを背景に執政基盤を固めたものの、中国からの強力な圧力という現実を前に、自らの政治的理想と現実的な利益保護の間で「対話の模索」を迫られるという。一方で、根強い右翼史観に基づく「抗中」姿勢が日中関係に持続的な重圧を与え続けることで、結果として日本の外交的な立ち回りの幅を自ら狭めることになると分析している。

政権の命運を左右する「3つの核心的挑戦」

中国側の分析が指摘するのは、高市政権が直面する具体的な3つの課題だ。これらは単なる外交問題にとどまらず、日本の内政や経済戦略とも密接に関わっている。

  • 第一の課題は、物価高の抑制と経済成長の両立である。 これは日本国民が最も注視する民生課題であり、高市首相が掲げる「責任ある積極財政」が、日本の膨大な債務の持続可能性とどう整合性を取るのか、目に見える成果が早急に求められている。
  • 第二の課題は、自らが推進する「急進的な政治路線」に対する内外の抵抗だ。 国家情報局の設立やスパイ防止法の制定、そして憲法改正手続きの実質的な始動といった「強軍路線」は、国内の民意の反発や財政的制約、さらには国際社会からの反撃を招くリスクを孕んでいる。
  • 第三の課題は、「遠交近攻(えんこうきんこう)」外交の行き詰まりだ。 項氏は、遠方の米国との同盟を極端に重視する一方で、近隣の中国を敵視する現在の戦略には巨大なリスクがあると指摘する。日米同盟を強化しながら米国の経済・貿易圧力を回避しつつ、自ら生じさせた近隣外交の孤立を打破することは容易ではない。

国際社会に広がる「日本の再軍備化」への懸念

高市政権の安全保障政策は、アジア地域全体の戦後秩序に影響を与える「外溢効果」として警戒されている。シンガポールのローレンス・ガン首相が2月15日、かつての日本占領期を「歴史の暗黒の章」と振り返ったことは、地域諸国が日本の右傾化と「再軍備化」の危険性を意識し始めた象徴的な動きと言える。

高市首相は今年11月に中国で開催されるAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議を関係改善の突破口にする意向を見せているが、中国側はこれを「自らの政治的ニーズに資するための演出」と冷ややかに見ている節がある。外部の脅威を煽り、排外主義を煽動することで国内の求心力を高める手法は、東アジアの平和と安定にとっての現実的リスクとなりつつある。第2次高市内閣は、米国との同盟関係を盾に中国への強硬姿勢をどこまで貫けるのか、そのジレンマは、そのまま日本の外交的裁量の限界を露呈させるものとなっている。

[出典]

[関連情報]

#高市早苗 #日中関係 #第2次高市内閣 #中国国際問題研究院 #遠交近攻

タイトルとURLをコピーしました