中国広東、浙江で「オウム病」重症化が相次ぐ 春節の家禽接触に警戒

広東、浙江で「オウム病」重症者 春節で家禽接触

広東省広州市や浙江省で2月、春節(旧正月)用の家禽を扱った住民が「オウム病クラミジア肺炎」を発症し、重症化する事例が相次いで報告された。広州医科大学附属番禺中心病院では10日間で2人の重症患者を受け入れたほか、浙江省でも40度の高熱が続く高齢男性が呼吸不全寸前の状態で搬送された。いずれの患者も深刻な病状だったが、家禽との接触歴を特定したことで適切な治療に繋がり、一命を取り留めた。中国メディアの環球時報などが伝えた。

オウム病は、鳥の排泄物や羽毛を吸い込むことで感染する人畜共通感染症。鶏、アヒル、ガチョウなど身近な家禽が主要な感染源となる。発症すると突発的な高熱や激しい頭痛、筋肉痛に襲われるが、鼻水や喉の痛みなどの症状が少ないため受診が遅れやすい。春節前後は家禽の処理や調理の機会が増えるため、医師は「生きた鳥を扱う際はマスクと手袋を着用し、調理時は中心部まで十分に加熱してほしい」と強く警鐘を鳴らしている。原因不明の高熱が出た際は、速やかに医師へ家禽との接触歴を告げることが早期回復の鍵になるという。

感染ルートの多様化と「白肺」の脅威

今回の報告で特に注目すべきは、感染源がオウムやハトといった観賞用の鳥類にとどまらず、食用として一般的に流通している家禽に広がっている点である。広州市の事例では、自家用ガチョウの世話をしていた女性や、飼料卸売業で鶏と接触していた男性が相次いで感染した。いずれも肺の画像診断において、肺胞が炎症で埋まり真っ白に見える「白肺(ホワイトラング)」の状態に陥っており、病状の進行が極めて速いことが特徴だ。

浙江省の事例では、当初の抗感染症治療が効果を示さず、患者の酸素分圧が進行性に低下する事態となった。このような「非定型病原体」による感染症は、一般的な感冒薬や抗菌薬が効きにくい。背景には、春節期特有の活禽(生きた鳥)取引の活発化がある。中国の農村部や一部都市部では、鮮度を重視して生きたまま家禽を購入し、自宅で屠殺する習慣が根強く残っている。この過程で飛散する微細な排泄物や羽毛の塵埃、あるいはエアロゾルを吸い込むことが、感染の主因となっている。

医療現場の課題と公衆衛生上の意図

オウム病はヒトからヒトへの感染が極めて稀であるため、個別の症例として見過ごされやすい。しかし、初期症状が重感冒に酷似していることから、医療機関側が患者の背景にある「鳥との接触歴」を見落とすと、診断が大幅に遅れるリスクがある。今回の各事例において救命の決定打となったのは、医師による執拗なまでの疫学調査、すなわち家禽への接触の有無に関する問い直しであった。

中国当局および医療機関がこの時期に情報を公開する背景には、春節の大移動に伴う感染拡大の防止と、医療リソースの適正な配分という狙いがある。特に高齢者や基礎疾患を持つ人々にとって、オウム病による重症肺炎は多臓器不全を併発しやすく、致死率を高める要因となる。市場管理の強化や公共の場での防護策周知は、経済活動を維持しつつ公衆衛生上のリスクを最小限に抑えるための国家的な戦略の一環といえる。

市民が取るべき具体的な防護策

医師や公衆衛生の専門家は、春節期間およびその前後における具体的な対策として以下の点を強調している。

  1. 購入時の選択と検疫の確認:出所不明な家禽の購入を避け、正規の検疫を受けた製品を選択すること。
  2. 接触時の厳重な防護:清掃や屠殺の際は、高性能なマスクとゴム手袋を着用し、飛沫や塵埃の吸入を防ぐ。
  3. 衛生管理の徹底:鳥に触れた後は、石鹸と流水で十分に手洗いを行う。
  4. 調理の安全:鳥肉や卵は中心温度が十分に上がるまで加熱する。生食は厳禁である。
  5. 自己申告の重要性:発熱時に医療機関を受診する際、ペットの有無や家禽との接触歴を自ら申告することが、治療の成否を分ける。

中国国内では過去にも、鳥インフルエンザ(H5N6型など)のヒト感染が家禽市場を介して発生しており、鳥由来の感染症に対する警戒感は非常に強い。今回のオウム病の続発は、改めて人獣共通感染症に対する個人の防護意識の重要性を浮き彫りにしている。

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