成都のトヨタ正規販売店で爆発事件が発生 男が自作爆発物を引火させ5人死傷、背景に購入めぐるトラブルか

成都のトヨタ正規販売店で爆発事件が発生 容疑者含む5人が死傷

2025年12月28日午後1時ごろ、中国四川省成都市高新区にあるトヨタ自動車の正規販売店(中国で「4S店」と呼ばれる大規模ディーラー)で、男が爆薬を引火させる事件が発生した。成都市公安局高新区分局の発表によると、事件に関与したのは成都市在住の段某(54歳、男)であり、店舗の入口付近で可燃物を燃焼させた。この爆発により段容疑者はその場で死亡し、現場にいた市民4人が負傷して病院へ搬送されたが、負傷者はいずれも命に別状はないと報じられている。

現場の映像や画像では、爆発の衝撃によって店舗正面の大型ガラスが広範囲にわたって粉砕され、店内に展示されていた複数の車両も深刻なダメージを受けている様子が確認できる。中国において「4S店」とは、販売(Sale)、スペアパーツ(Sparepart)、サービス(Service)、アンケート(Survey)の4つの機能を備えた、メーカー公認の総合販売サービス店を指す。通常、多くの客やスタッフが出入りする信頼性の高い場所とされるが、白昼の店舗を標的にした暴力行為は現地社会に大きな衝撃を与えた。

警察がネット上の流言を否定 トラブルの真実と容疑者の素性

事件発生直後、SNS上では「客が手付金の返還を拒否され、体に爆薬を巻き付けて店内で自爆した」という情報や、「容疑者は鉱山勤務で爆薬を入手できる立場だった」といった具体的な憶測が急速に拡散された。しかし、成都市公安局高新区分局が12月29日15時50分に行った続報により、これらの多くは事実ではないことが判明した。

警察の調査によると、トラブルの対象となった車両は2022年10月にすでに全額支払いで購入済みであり、ネット上で囁かれた「手付金の返金トラブル」という説は事実無根である。段容疑者は以前、当該車両の装備仕様について店舗側に苦情を申し立てていた経歴があり、長期にわたる不満が犯行の背景にあったと推測されている。また、容疑者の経歴についても、かつて運送会社に勤務していたが現在は無職であり、鉱山での勤務経験はなかった。爆発物は、家宅捜索や物証鑑定の結果から、段容疑者が独自に作成した「自作の爆発物」であったことが裏付けられている。

あわせて当局は、動画共有アプリ「抖音(Douyin)」などで憶測に基づいたデマを捏造・拡散し、社会に悪影響を与えたとして、ユーザー2人を既に処分したことを公表した。中国政府は近年、社会不安を煽るネット上の流言(謡言)に対して厳しい取り締まりを行っており、今回の迅速な発表も二次的なパニックや不当な企業バッシングを防ぐ政策的意図があると考えられる。

中国における消費トラブルと企業の危機管理

今回の事件は、中国の自動車販売現場における消費トラブルの深刻化という側面を浮き彫りにしている。中国では経済成長の鈍化に伴い、消費者の権利意識が高まる一方で、サービス提供側とのコミュニケーション不全が過激な行動に発展するケースが散発している。特に自動車のような高額商品では、車両の不具合や装備の不一致が深刻な対立を生みやすい。

地域に根ざした正規販売店(4S店)でのトラブルはブランドイメージに直結する死活問題。本件のように、既に数年前に購入された車両の仕様を巡る不満が、数年越しに極端な暴力行為へと発展した事実は、企業側にとっての顧客対応や苦情処理プロセスの難しさを示している。

現在、公安機関は動機の詳細についてさらなる調査を進めている。このような事件の再発防止には、公的機関によるデマの排除だけでなく、企業側が顧客の不満を初期段階で適切に解消するためのリスクマネジメント体制の強化が、これまで以上に求められているといえる。

[出典]

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