黒竜江省鶏西市の炭鉱で出水事故が発生、5人が閉じ込め 事前に「3件の重大事故の危険性」指摘も操業継続

鶏西市大通溝炭鉱で出水事故が発生、5人の救助活動が続く

2025年12月21日午前4時30分ごろ、中国黒竜江省鶏西市滴道区に位置する黒竜江豊源鉱業有限公司大通溝炭鉱において、坑道への出水事故が発生した。現地当局の発表によれば、この事故により作業員5人が坑内に閉じ込められており、現在、鶏西市が設置した合同救助本部による緊急救助活動が急ピッチで進められている。現場では大型ポンプによる排水作業と並行して、生存者の確認が急がれているが、坑内の複雑な状況により救助活動は難航している模様だ。

鶏西市は古くから石炭産業で栄えた都市であるが、近年は設備の老朽化や安全管理の不徹底による事故が相次いでいる。今回事故が起きた大通溝炭鉱も、地元の主要なエネルギー供給源の一つであったが、その運営実態には以前から厳しい目が向けられていた。

わずか3日間の停止で生産再開、指摘されていた3項目の「重大事故の危険性」

中国メディアの極目新聞などが報じたところによれば、同炭鉱は事故の約半年前である2025年5月末の検査において、国家鉱山安全監察局から「3項目の重大事故の危険性」を指摘されていた。その内容は極めて深刻であり、炭鉱運営の根幹に関わる不備が露呈していた。

指摘された第一の項目は、安全生産費用の不正流用である。本来、炭鉱の安全性を確保するために計上されるべき「安全生産費用」が、事務用品や販売費用などの経費に違法に転用されていた。第二の項目は、国の規定を無視した強行生産だ。石炭の採掘可能期間が国の定める最短期間を下回っていたにもかかわらず、利益を優先して採掘を継続していた。そして第三の項目が、廃止済みである旧式の機械設備の違法使用である。

これらの重大な違反を受け、同炭鉱は6月6日から操業停止整頓を命じられ、当局による「掛牌督办(重点監視処分)」の対象となった。しかし、驚くべきことに、わずか3日後の再審査で合格と判断され、6月10日には早々に生産を再開していた。この短期間での是正措置の妥当性について、現在多くの疑問が呈されている。

重なる安全検査をすり抜けた構造的な管理不全

今回の事故の背景には、単なる企業の過失に留まらない、石炭業界全体の構造的課題と政策意図の歪みが見え隠れする。事故直前の12月初旬にも、滴道区の地元幹部による現場安全検査が行われたばかりであった。地区の党委員会書記が自ら現場を督導し、「安全生産の徹底」を指示していたものの、結果として重大な懸念が払拭されないまま操業が続けられ、今回の惨事を招いた。

中国政府は近年、エネルギー安全保障の観点から石炭の増産を強く求めている。地方政府や企業には「安全の確保」と「増産ノルマの達成」という、時に矛盾する二つの圧力がかかっている。今回のケースでは、利益や生産目標を優先するあまり、形式的な検査で操業再開を認めてしまった可能性が極めて高い。

現在、救助当局は5人の作業員の救出を最優先としているが、同時に、過去に行われた是正措置のプロセスや、短期間での生産再開を認めた当局の判断についても詳しい調査を行う方針を示している。過去の事故から教訓を得られず、リスクを放置したまま生産を強行した管理体制の責任追及は避けられない見通しだ。

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