北京で今年初の空気重汚染「黄色警報」発令、濃霧で大興空港がまひ―秋冬の汚染メカニズムを解説

12月の北京を襲う濃霧と「黄色警報」の衝撃

2025年12月18日0時、北京市空気重汚染応急指揮部辦公室は、今年初となる「空気重汚染・黄色警報」を始動した。京津冀(北京・天津・河北)および周辺地域が、この秋冬シーズンで深刻な汚染プロセスに見舞われるのは、今回で既に3度目となる。

今回の汚染は、視界不良による交通インフラへの影響が特に顕著である。北京大興国際空港では主導視程が100メートルまで低下し、滑走路の視距も125メートルから175メートルという極限状態に陥った。空港当局は大規模フライト遅延の「レッド警戒態勢」を敷き、空管や航空会社と連携して運航調整に追われている。陸路においても、河北省で局部的に視界が50メートル未満となる「大霧橙色警報」が発令され、京滬高速や京港澳高速など、北京と主要都市を結ぶ幹線道路が相次いで封鎖された。

秋冬の汚染が北京を「選ぶ」三つの科学的要因

なぜ秋冬になると、大気汚染物質が北京に滞留しやすくなるのか。生態環境部門の分析によれば、そこには「気象」「排出量」「地形」という三つの複合的な要因が存在する。

第一に、秋冬特有の気象条件である。地表気温の低下に伴い「逆転層」が発生し、空気の垂直方向の対流が阻害される。これに低気圧や南寄りの風が加わることで湿度が増し、大気中の化学反応が活性化する。汚染物質が湿気を吸って成長(吸湿増長)することで、汚染の程度はさらに深刻化するのだ。[AlertChina:逆転層の仕組みと大気汚染の関係を詳しく見る]

第二に、エネルギー需要の構造的要因が挙げられる。北方の採暖期(暖房シーズン)が本格化し、石炭火力発電所や供熱ボイラーの稼働率が急増している点だ。京津冀エリアの火電・供熱業界の活動レベルは暖房シーズン前より約20ポイント上昇しており、鋼鉄や石化などの大規模工序も高い稼働率を維持している。[AlertChina:中国の暖房政策と石炭消費の現状]

第三に、北京特有の「ちりとり型」地形の影響である。北京は北、東、西を山脈に囲まれ、南側が開けた地形をしている。偏南風に乗って北上してきた汚染物質は、太行山脈や燕山山脈に遮られ、出口を失った「ちりとり」の底に溜まるように山前地域へ蓄積していく。[AlertChina:京津冀エリアの地形的リスクと環境容量]

行政の対応と今後の改善見通し

今回の黄色警報発令に伴い、北京市は工場への生産制限や建設現場の作業停止、大型車両の通行規制などの応急措置を強化している。これは経済活動を維持しつつ、環境容量を超えた汚染物質の排出を抑え込むための政策的バランスを図る狙いがある。雪後の急速な交通量回復や建設機械の稼働が「源頭補給站(汚染源)」となっている現状を鑑み、当局は短期的な規制による濃度抑制を急いでいる。

幸いにも、今回の汚染プロセスは長期化しない見通しだ。気象予測によれば、20日には北風が流入し、拡散条件が劇的に改善されることで、空気質は「優良」レベルまで回復する予定である。[AlertChina:最新の北京空気質指標(AQI)リアルタイム監視] [AlertChina:大気汚染から身を守るための健康防護ガイドライン]

[出典]

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