
国連安保理で表面化した日中対立
国連安全保障理事会は2025年12月15日、「平和のためのリーダーシップを示す」と題する公開討論会を開き、日本と中国の代表が激しく応酬した。討論会は、多国間協力の重要性を確認するとともに、2026年に正式に始動する次期国連事務総長選挙を主要議題とするものだったが、日中間の政治的対立が前面に出る展開となった。
中国の国連常駐副代表、孫磊は、日本の首相である高市早苗を「日本の右翼勢力の代表」と批判し、日本が戦後の軍事的制約を解除するための口実を作り出していると非難した。これに対し、日本の国連大使、山崎和之は、日本は第2次世界大戦後、一貫して平和国家としての道を歩んできたと反論した。
共同通信が2025年12月16日に報じたところによると、討論会では中国と日本以外の多くの国が、国連改革や事務総長選出手続きの透明性について発言したが、日中双方は議題から外れた形で相互批判を続けた。
中国側の強硬姿勢と日本側の反論
中国の国連常駐代表、傅聡は会議の場で高市氏の名を挙げ、「時代の流れに逆行している」と指摘し、日本が第2次世界大戦の敗戦国として国際社会に示した約束に反していると批判した。
傅聡は、80年前に日本の軍国主義が「自衛」を名目に対外侵略を行ったと主張し、「軍国主義の復活を決して許してはならず、ファシズムの亡霊を再びよみがえらせてはならない」と強調した。そのうえで、日本側に対し、高市氏の発言を撤回するよう改めて求めた。
これに対し、山崎大使は、中国側の批判は会議の主題に合致せず不適切だと述べ、日本は戦後一貫して平和国家として行動してきたと反論した。会議終盤には、日中双方が追加の発言機会を求め、非難の応酬が続いた。
香港メディアは2025年12月17日、中国側が日本代表の説明を「詭弁」と批判し、「立場に変化はない」という説明では国際社会の懸念を払拭できないと指摘したと報じている。
台湾発言を巡る外交圧力の拡大
今回の対立の直接の背景には、高市首相が2025年11月7日に国会で行った、いわゆる「台湾有事」に関する発言がある。中国側はこれに強く反発し、その後1カ月以上にわたり、政治、軍事、経済、文化など幅広い分野で日本への圧力を強めてきた。
この問題を巡っては、
「日中が台湾発言巡り国連で応酬 相次ぐ書簡提出で外交戦が国際舞台へ拡大」
https://www.alertchina.com/post-33695/
といった分析も出ており、日中対立が二国間問題にとどまらず、国際社会全体に持ち込まれている実態が浮き彫りになっている。
また、中国側の圧力は文化交流の分野にも波及し、
「高市首相『台湾有事』発言、中国当局の嫌がらせで日本人公演が相次ぎ中止」
https://www.alertchina.com/post-33670/
といった事例も報じられている。
国際舞台で続く緊張と今後の影響
安保理という国際社会の中枢で日中の対立が可視化されたことは、今後の国連改革議論や事務総長選挙にも影響を及ぼす可能性がある。中国側は歴史問題と台湾問題を結び付け、日本の安全保障政策を牽制する姿勢を鮮明にしている。
一方、日本側は、国際社会に対し平和国家としての正当性を訴え続ける構えだ。双方が譲歩点を見いだせないまま対立が長期化すれば、東アジアの安全保障環境や国連外交の場での協調にも影を落とすことになりかねない。今回の安保理での応酬は、その象徴的な出来事といえる。
[出典]
・中央社
https://www.cna.com.tw/news/acn/202512170081.aspx
・星島日報
https://www.stheadline.com/china-politics/3527335/
・TVBS
https://news.tvbs.com.tw/world/3074821
[関連情報]
・日中が台湾発言巡り国連で応酬
https://www.alertchina.com/post-33695/
・浜崎あゆみ無観客ライブ報道と中国世論
https://www.alertchina.com/post-33686/
・高市首相「台湾有事」発言と文化交流への影響
https://www.alertchina.com/post-33670/
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