中国不動産大手の万科企業(広東省深セン市)で、15日に償還期限を迎える国内債券を巡り、債務の期限延長を求めた複数の議案が、債券保有者の支持を得られずすべて否決された。これにより同社のデフォルト懸念は一段と強まっている。万科にはなお5営業日の猶予交渉期間が残されているが、市場では中国不動産業界全体への波及を警戒する見方が広がっている。
債務期限延長議案はすべて否決、債権者は慎重姿勢
中国銀行間市場取引商協会の公告によると、万科が発行した中期債「22万科MTN004」を巡り、付議された3件の債務期限延長議案はいずれも、可決に必要な賛成率90%に達しなかった。議案はいずれも、償還期限を1年間延ばし、その期間中は元本と利息の支払いを行わない内容だったが、債権者に対して追加の担保や保証を示すかどうかが最大の争点となった。
最も支持を集めた案でも賛成率は83.40%にとどまり、債権者側の慎重姿勢が鮮明となった。債券募集説明書では、期限延長を実現するには議決権総数の90%超の同意が必要とされており、今回の否決によって万科は短期的な資金繰り圧力を和らげる手段を失った形だ。ブルームバーグ通信は、期限延長の成否が万科の流動性確保にとって極めて重要な局面だったと指摘している。
混合所有制企業・万科の行方が中国経済の試金石に
万科は国有資本と民間資本が共同で出資する混合所有制企業で、深圳市地鉄集団が最大株主となっている。不動産市場では長年「優等生」とも評され、経営の安定性が高い企業と見なされてきた。だが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、万科が資金繰りに行き詰まれば、中国不動産業界全体のリスクが一気に表面化しかねないと警告する。
中国の不動産市場は、過去20年以上にわたる急成長の反動で深刻な調整局面にある。2025年1~9月期の万科の持分ベース純損失は人民元280億2000万元に達し、有利子負債は3629億3000万元と高水準だ。保有する現金は656億8000万元あるものの、販売不振と短期債務の集中が資金繰りを圧迫している。
最大株主の深圳市地鉄集団は、これまでに300億元を超える資金支援を行ってきたが、足元では資金支援の条件を厳しくしたとされる。国有株主が無条件で支え続けるとの見方は後退しており、中国当局も不動産市場の再過熱を避ける観点から、全面救済には慎重姿勢を崩していない。
もっとも、万科は全国に多数の住宅開発プロジェクトを抱え、その影響は不動産市場にとどまらず、金融機関や地方財政にも及ぶ。市場では、期限延長を巡る再交渉や資産売却などを通じて時間を稼ぐ余地は残されているとの見方もある一方、債権者の信頼回復には一段踏み込んだ対応が不可欠との指摘も多い。
万科の動向は、中国不動産業界のみならず、中国経済全体の先行きを占う重要な試金石となっている。
[出典]
https://www.dw.com/zh/%E4%B8%87%E7%A7%91%E9%A6%96%E6%AC%A1%E5%AF%BB%E6%B1%82%E5%BB%B6%E6%9C%9F%E5%81%BF%E8%BF%98%E5%8D%B3%E5%B0%86%E5%88%B0%E6%9C%9F%E7%9A%84%E5%80%BA%E5%88%B8/a-74923097
https://www.cna.com.tw/news/acn/202512140062.aspx
https://udn.com/news/story/7333/9201777
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