中国各地で相次ぐ店舗兼住宅火災 スワトウ12人死亡の重大事故と全国の事例を整理

スワトウで4階建て店舗兼住宅が火災 住民12人が死亡

広東省スワトウ市潮南区で12月9日午後9時21分ごろ、4階建ての店舗兼住宅が火災を起こし、住民12人が死亡する重大事故となった。潮南区消防救援当局によると、この建物は個人所有の店舗兼住宅で、防火上の問題があった可能性がある。最初に中国新聞網(中新社)が報じ、その後、香港メディア《東網》《香港01》《星島日報》なども伝えた。

建物は鉄筋コンクリート造で、延焼面積は約150平方メートル。金物・機械工具を扱う店舗を営む家族が3〜4階で生活しており、死亡した12人は全員がこの家族とみられる。

ネット上に投稿された映像によれば、火元は1階の店舗部分とみられ、複数の爆発音がした後に大量の黒煙が噴き出した。
当時建物内にいた12人は、いずれも避難できずに逃げ遅れた可能性が高い。現地の消防や警察が出火原因の調査を進めている。

今回の火災は、店舗と住居が一体化した中国都市部の典型的な建築形態の弱点が、人的被害を拡大させた事例といえる。


中国各地で繰り返される店舗兼住宅火災 背景には共通するリスク

スワトウ火災は今年発生した一連の店舗兼住宅火災の中でも死者数が極めて多いが、中国では類似の火災が頻発している。

■ 広東省:食品市場の店舗火災で子ども3人死亡

今年6月、スワトウの食品市場内の店で火災が発生し、外出中の母親を残して2階にいた子ども3人が死亡した。
食品市場で火災 母親外出中に子ども3人死亡(広東)

■ 山東省:繁華街商店の火災で5人負傷・1人不明

5月には山東省の繁華街で商店が燃え、5人がけがを負い、1人が行方不明となった。
繁華街の商店で火災、5人けが1人不明(山東)

■ 遼寧省:飲食店火災で22人死亡

4月には遼寧省で住宅に隣接する飲食店が出火し、店内の客や従業員を中心に22人が死亡した。
住宅近くの飲食店で火災 22人死亡、3人けが(遼寧)

■ 雲南省:電動バイク修理店火災で一家8人死亡

同じく4月、雲南省で電動バイク修理店を兼ねる店舗が燃え、一家8人が死亡した。
店舗火災で8人死亡 電動バイク修理店(雲南)


共通する構造的問題 避難困難・設備不備・老朽化

今回のスワトウ火災を含む複数事例には、以下の共通点がある。

  1. 1階が店舗、上階が住居という構造が多い
     火元が店舗の場合、階段が煙で塞がれ、上階からの避難が極めて困難になる。
  2. 個人所有の店舗兼住宅は防火設備が不足しがち
     スプリンクラー、火災警報器、避難経路などの管理が不十分な例が少なくない。
  3. 老朽化した配線や充電設備が発火につながりやすい
     特に電動バイクのバッテリー充電トラブルはリスク要因として注目されている。

中国の地方都市では、店舗兼住宅という形態が依然として広く見られ、安全基準に地域差が残る。今回のスワトウの12人死亡事故は、その脆弱性を改めて示す形となった。


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