新疆高速道路で玉突き事故 濃霧と凍結が重なり9人死亡・7人負傷

新疆高速道路で深刻な玉突き事故 9人死亡・7人負傷

2025年12月6日22時ごろ、新疆ウイグル自治区の連霍高速道路(G30)で、多数の車両が巻き込まれる玉突き事故が発生した。事故はタ城地区ウス市中心部から約70キロのK3906キロ地点付近で起き、約1キロの間にある2つの区間で連続して追突が発生した。トラックなどの大型車5台と乗用車7台、計12台が衝突し、9人が死亡、7人が負傷した。負傷者はすべて近隣の医療機関に搬送され治療を受けている。

事故当時、現場周辺は局地的に急濃霧が発生し、視界は大幅に悪化していた。さらに冬期の夜間で地表温度が氷点下まで低下し、湿った路面が短時間で凍結した。こうした複合的な気象要因が事故を誘発したとみられている。

新疆では冬季の高地・盆地地域で濃霧と凍結が短時間で同時発生することが多く、交通当局は以前から注意を促してきた。類似の事故は中国内陸部でも発生しており、たとえば河北省では視程10メートルとなった濃霧で30台以上が玉突き事故を起こした例がある(参考:
➡️ 濃霧の高速道路で30台玉突き=河北 https://www.alertchina.com/37164635-2/ )。


事故の一報を受け、応急管理部の王祥喜部長は直ちに救助体制の構築を指示した。二次災害の防止、負傷者救命、事故原因の早期解明を柱とし、応急管理部は専門家を含む作業班を現地に派遣した。部の幹部は映像を通じた遠隔指揮で救助対応を継続した。

新疆ウイグル自治区党委・政府も同日夜のうちに対応を決定し、被災者救出、治療体制の強化、再発防止策の検討を指示した。タ城地区とウス市は緊急対応を発動し、公安、消防、応急管理、衛生健康部門が現場で救助活動に当たった。

事故現場周辺は大型車の交通量が多く、周辺道路が工事中だったことから、多くのトラックが迂回して連霍高速を利用していたという。現地ドライバーは「今年は特に大型車が増え、注意が必要だった」と証言した。

また、事故区間には7日午前時点でも薄い氷が残っており、交通警察は安全確認が完了するまで通行止め措置を継続すると発表した。

過去には河南省では100台以上が玉突きとなる事故も発生している(参考:
河南の高速道で車100台超玉突き https://www.alertchina.com/37863247-2/ )。


中国西部の高速道路が抱える構造的リスク

新疆を含む西部地域では、

  • 広域で交通量が少なく、速度が出やすい
  • 高地・砂漠地帯で気象変化が急激
  • 夜間の温度差が大きく、路面凍結が短時間で発生

といった特性から、多重事故のリスクが比較的高い。近年、中国政府は気象監視設備の増強や、自動車向け路面凍結警報システムの整備を進めているが、依然として濃霧やブラックアイスによる事故は起き続けている。

また、交通量の増加や工事による迂回が事故リスクを押し上げる例も多い。山西省や湖南省でも過去に、乗用車やトラックが複数台絡む事故が相次いでいる
➡️ 乗用車が追突され対向車線に=湖南 https://www.alertchina.com/36835835-2/ )。



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