湖南で花火店爆発3人けが 店主が農薬服用後に死亡 直前に政府と警察の不正訴え

■湖南省チン州市で爆発、店主が農薬服用後に死亡

中国湖南省チン(林におおざと)州市北湖区同心路の花火小売店で2025年11月30日午前7時46分、爆発事故が発生し、店主の彭海勇氏(花火店経営者)を含む3人が軽傷を負い、緊急搬送された。爆発の規模は大きく、火柱と濃煙が上がり、店舗はほぼ全壊。爆風で路上の乗用車が吹き飛ばされ炎上し、周辺住宅の窓ガラスも割れた。現場周辺の住民はSNSで「家の窓が衝撃で割れた」と述べている。

しかし、彭氏の容体は別の要因で急速に悪化していた。彭氏は爆発前、2025年11月30日午前7時ごろに交流アプリ「微信」のグループへ、自ら農薬「敵草快」を飲む動画と遺書を投稿していた。郴州市公安機関は2025年12月1日に彭氏を発見し、チン州市第一人民医院が治療を継続したが、2025年12月2日午前6時すぎ、同院の重症急救科で死亡した。医療関係者は「中毒量が致死量をはるかに超えていた」と説明し、死因は爆発による負傷ではなく農薬中毒だと認めた。


■遺書に記された「行政不正」と「圧力」 花火産業への一律規制も批判

彭氏の遺書には、重大な行政不正の疑いが詳細に記されていた。遺書によると、地元政府職員や街道弁事処書記、派出所長らが繰り返し花火や贈答品を要求し、金銭まで求めたという。また、チン州市副市長の彭生智氏が花火産業に一律規制を課し、業者の生計を奪っていると名指しで批判。不倫や私生児など不正な行為にも言及し、行政の「乱作為」を告発した。

遺書には「皆がこれを見る頃、私はこの世にいない。これは遺言であり、花火・爆竹店主が訴えたい問題だ」と記されており、SNS上では「公権力の乱用が市民を追い詰めた」との批判が急速に広がった。


■営業困難に追い込まれた背景 許認可の停滞と大量在庫

事情を知る住民によれば、彭氏は販売許可証の申請を何度も提出したが処理が進まず、正月商戦向けに仕入れた1000万元(約2億2000万円)以上の在庫を抱えていた。行政上の制限により、店の上階に住めず、周辺100メートル以内に住宅を置けないなどの規制も重なり、店舗の継続は困難になっていたという。

中国で花火・爆竹の安全管理は年々強化されており、地方政府による許認可の遅延や過度規制が業者に深刻な影響を与えていると指摘される。今回の事件では、制度運用の透明性の欠如や、地方官員の不正行為が改めて問題視された。


■市政府は調査開始「事実なら厳正処理」 SNSで議論続く

チン州市委と市政府は2025年12月1日、紀監委、公安局、応急管理局などで構成する合同調査組を設置し、彭氏の告発内容や行政対応に関する全面調査を開始した。「事実が確認されれば規定に基づき厳正に処理し、一切容赦しない」と表明したが、市当局の姿勢に対する市民の不信感は強く、調査と再発防止策の透明性が問われている。

SNSでは、許認可制度の改善を求める声や「花火産業の生計維持にもっと配慮すべきだ」といった意見が広がり、地方行政の責任を問う議論が続いている。


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