万科ショック深まる:初の債券返済延期要請と国の支援の不透明さで市場不安が拡大

■ 万科、初の返済延期要請で市場が強く反応

中国の不動産開発大手・万科が、12月15日に満期を迎える20億元の国内債券について返済延期を求める方針を示し、市場の懸念が急速に高まった。万科は12月10日に債券保有者会議を開いて延期案を審議するが、公告には具体的な条件が示されていない。中国の不動産市場が底打ちしない中で「優等生」とされた万科の揺らぎは、弱含む市場心理に一段と重しとなっている。

発表直後から債券価格は急落し、25日以降、2026〜2027年満期の複数銘柄が20〜30%下落して取引停止となった。株価も大幅に下落し、A株は1株5.47元と2015年以来の安値を更新。香港株も上場来の最安値となり、市場全体の警戒感が高まった。

背景には、深刻な販売不振と流動性の逼迫がある。今年1〜10月の万科の販売額は1,152.8億元で、前年の月平均からほぼ半減した。年内には57億元、2026年には120億元超、2027年には海外債70億元など大規模な返済が集中し、資金繰りへの懸念が強まっている。


■ 中央政府は「市場化方式」を指示 債務再編観測が急速に拡大

金融情報会社Octusは、中国中央政府が深セン市に対し、万科の債務問題を「市場化方式」で処理するよう初期指示を出したと報じた。市場化とは事実上の債務再編を示す婉曲表現とされ、政府による全面的な救済が保証されない可能性が浮上した。DWや路透によれば、国有金融機関の中国国際金融(中金公司)が万科の債務評価を委託され、中央政府に再編案を含む内部資料を提出したとされる。

筆頭株主の深セン地鉄集団は今年、万科に308億元の株主ローンを提供し、2025〜2026年に最大220億元の追加融資を行う契約を結んだ。ただし、支援が無制限に続く保証はなく、中央政府の対応も不透明なままだ。市場では「深セン市が北京に支援を求めた」との観測が広がり、今後の展開は「支援なし」か「中央政府の直接関与」の二択との見方が強まっている。


■ 不動産市場の調整長期化、万科の揺らぎが心理悪化を加速

新型コロナ以降の需要低迷で不動産市場は復調の兆しを見せず、10月の新築住宅価格は1年で最大の下落幅となった。S&Pは「市場はなお底を探る局面」と評価している。政府は2024年下半期に複数の支援策を打ち出したものの、2025年には大規模な新刺激策が示されず、政策方向の不透明さが投資家心理を冷やし続けている。

そのような中、財務規律が評価され業界の「優等生」とされた万科の揺らぎは、弱含む市場心理に一段と重しとなっている。万科が債務再編へ移行する場合、同業他社の資金調達環境にも波及し、不動産市場全体の信頼性をさらに損なう恐れがある。

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