米中通話後に“日米通話”の意味 台湾問題が三者外交の焦点に
米国のドナルド・トランプ大統領が、中国の習近平国家主席との通話後に日本の高市早苗首相へ電話をかけ、台湾問題での発言を抑制するよう求めていたことが判明した。台湾情勢は2025年以降、米中日三者の外交リスクの中心にあり、今回の通話はその構図を象徴する動きとなった。米中の直接協議が台湾問題で加速する状況は、すでに先日の**「習近平氏がトランプ氏に自ら電話し、台湾問題で米中が緊急協議した背景」**（関連報道）でも明らかになっている。
米国メディアは11月26日、トランプ氏が高市首相に対し「台湾の主権問題で北京を刺激しないよう語調を和らげるべきだ」と助言したと報じた。ただし、高市首相が7日の国会で述べた「台湾有事」発言の撤回を迫ったわけではなく、国内政治の制約に配慮した判断だとされる。
中国の歴史認識とトランプ外交の思惑
トランプ氏と習近平主席の通話では、中国側が台湾の歴史的主権主張を繰り返し、台湾の中国回帰を「戦後国際秩序の重要な構成部分」と位置づけたとされる。中国側の強硬姿勢は、米中対立が一時的に緩和した**「習・トランプ会談による米中対立の“休止”」**（関連報道）の後も続いており、台湾問題が最優先課題となっていることを示す。
さらに中国側は、米中がかつてファシズムや軍国主義と戦った歴史を共有していると指摘し、台湾問題を単なる地域争点ではなく、大国間の秩序問題に押し上げようとする意図を明確にした。この歴史認識の強調は、近く釜山で行われた米中首脳会談（関税・レアアース・AI覇権が焦点）（関連報道）でも踏襲されている。
一方、日本側官僚はトランプ氏の姿勢に懸念を示す。台湾問題で日米の温度差が広がり、米中貿易協議の安定を優先するトランプ氏の外交姿勢が、同盟国の日本への支持を弱めているとの見方もある。これについては、「トランプ氏が中国を称賛し、日欧同盟国を批判した」（関連報道）との分析が示す通り、同氏の外交方針の一貫性にも疑問が残る。
ホワイトハウスはトランプ氏のコメントとして「米中関係は非常に良好であり、それは日本にとっても良いことだ」と発表し、米中の経済協調を強調した。中国による米国産農産物の大量購入を含む合意は、トランプ氏にとっても重要な政治的成果となっている。
今回の通話について専門家は次の三点を指摘する。
米中関係改善の妨げとなる要因の排除
台湾問題を通じた日本への牽制
大国外交における米中の暗黙の協調
中国の研究者は、来年4月とされるトランプ氏の訪中前に、日本が台湾問題で情勢を不安定化させないよう、同氏が高市首相に「火種を増やすな」と示唆した可能性が高いとみている。
台湾情勢は米中、そして日中関係の中で依然として最重要課題であり、今回の通話は米中日三者の力学が、今後さらに複雑化することを示した。台湾海峡の安全保障、米中関係の駆け引き、高市首相の国内政治が重なる構図は当面続くとみられる。
出典（ハイパーリンク）
- Yahoo! 台湾版
https://tw.news.yahoo.com/%E5%B7%9D%E6%99%AE%E8%87%B4%E9%9B%BB%E6%97%A5%E7%9B%B8%E5%85%A7%E5%AE%B9%E6%9B%9D-%E5%BB%BA%E8%AD%B0%E9%AB%98%E5%B8%82%E5%88%A5%E6%BF%80%E6%80%92%E5%8C%97%E4%BA%AC-%E6%9C%AA%E8%A6%81%E6%B1%82%E6%94%B6%E5%9B%9E-%E5%8F%B0%E7%81%A3%E6%9C%89%E4%BA%8B-%E7%99%BA%E8%A8%80-003950241.html - 中国時報
https://www.chinatimes.com/realtimenews/20251127001864-260409?chdtv