小米 SU7 Ultra 炎上 事故 成都で死亡 電子ロック開かず救出失敗

■ 高速走行中に衝突 小米 SU7 Ultra 炎上 事故で運転者死亡

2025年10月13日未明、中国四川省成都市の天府大道で小米(シャオミ)製の電気自動車「SU7 Ultra」が衝突・炎上した。事故は午前3時16分ごろ発生し、運転者が死亡した。

ドライブレコーダー映像によると、SU7 Ultraは高速走行中にふらついた後、緑化帯に突入。車体が対向車線に転倒し、直後に激しく燃え上がった。SNS上には「時速150キロで走行していた」との投稿もあり、速度超過が原因との見方が強まっている。

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■ 通行人が救助試みるもドア開かず 電子ロックが作動せず

小米 SU7 Ultra 炎上 事故の目撃者は「拳で叩き、足で蹴ってドアを開けようとしたが開かなかった」と証言した。別の救助者はスパナ(香港では士巴拿)で運転席側のガラスを半分ほど破壊したが、電子ロック式ドアが作動せず開けられなかったという。

「火の勢いが非常に強く、もしドアが開けば助けられたかもしれない」と語った。救助にあたった通行人の中には素手で窓をこじ開けようとして手を切った者もいた。

消防隊が到着して電動カッターでドアを切断し、運転者を救出したが、すでに死亡が確認された。車体は炎上後も大きく変形しておらず、外観はほぼ原形を保っていたが、電子ロックが外部から操作できなかったとみられる。


■ 成都公安が発表「酒気帯び運転の疑い」 株価は8%急落

成都市公安局交通管理局は同日午後、公式SNS「微博」で声明を発表し、「小米自動車が高速走行中に衝突・炎上し、運転者が死亡した」と説明。運転者の鄧某某に酒気帯び運転の疑いがあるとした。

この報道を受け、小米集団(香港市場:01810)の株価は一時8.7%下落し、47.5香港ドルまで下げた。下落率は4月以来で最大だった。


■ 3月にも小米 SU7 炎上 事故 女子大生3人が死亡

小米 SU7 Ultra 炎上 事故は今年3月にも発生している。安徽省では女子大学生3人が「SU7」に乗って公務員試験に向かう途中、高速道路上で衝突・爆燃し全員が死亡した。この事件を機に、小米の自動運転機能やドアロック構造の安全性に疑問が集まった。

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■ 大規模リコールと広告規制 EV業界に転機

小米は2025年9月、レベル2運転支援機能に欠陥があるとして「SU7」標準版約11万6900台をリコール。自動運転作動時に衝突リスクが高まるおそれを認めた。
同時期、中国政府はEV火災や誇張広告の問題を受け、自動運転関連の広告表現を制限する方針を発表した(参考:中国政府、EV事故受け「自動運転」誇張の広告禁止)。


■ ハイブリッド回帰も 中国EV政策に転換の兆し

EVの安全性をめぐる議論が高まるなか、中国自動車業界では「ハイブリッド併存論」も浮上している。
長城汽車の魏建軍会長は「電動化一辺倒ではなく、ハイブリッド技術との併用こそ現実的だ」と提言している。
(参照:【特集】中国でEV一辺倒に見直しの兆し 長城汽車トップ魏建軍氏が「ハイブリッド併存」を提唱


■ 小米 SU7 Ultra 炎上 事故が投げかける課題

小米はスマートフォン事業の技術力を武器にEV市場へ参入し、「高性能・高コスパEV」として注目を集めてきた。
しかし、連続する炎上事故とリコール問題はブランドの信頼を大きく揺るがせている。

中国のEV市場は世界最大規模に成長したが、安全性や電子制御システムの信頼性が今後の競争軸になるとの見方が強まっている。

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