■ 百色市G80広昆高速道路で大規模陥没、迅速な通行止めで事故回避

広西チワン族自治区では今年、台風や豪雨による地質災害が相次いでいる。
中でも今回の台風21号は特に深刻な影響を及ぼし、自治区西部の百色市で大規模な道路陥没が発生した。
10月7日夜、G80広昆高速道路の百色〜陽圩区間で、技術員が巡回中に路肩の擁壁の移動と約30メートルの亀裂を発見。
百色高速公路運営公司は直ちに報告し、同日20時に百色→陽圩方向の交通を封鎖。
さらにG69銀百高速(永楽→陽圩方向)も通行止めとし、すべての車両を安全に誘導した。
23時ごろには擁壁が崩壊し、最大2メートル超の深さの陥没が発生したが、封鎖の判断が迅速だったため、人的被害はゼロだった。
現地は剝隘河(ボアイ河)沿いにあり、連日の豪雨で河水が氾濫。
地盤が軟化して擁壁が滑動したことが主な原因とみられている。
翌8日朝、当局は専門家を招集して復旧策を協議し、重機や資材を投入して応急修復を開始。
百色市内では一時、13か所の道路が寸断されたが、同日夜までに11か所が復旧した。
関係部門は道路巡検と危険箇所の総点検を継続し、住民の安全確保に努めている。
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■ 南寧市の北大橋付近で地盤沈下 1,300人が徹夜で復旧作業
台風21号の豪雨は自治区の省都・南寧市にも被害を及ぼした。
10月8日夜、北大橋右側の堤外駐車場(二坑ポンプ場)付近で地盤が突然沈下し、大きな陥没穴が出現。
南寧市応急指揮部は19時50分に異常を監視映像で確認し、直ちに中国安能第一工程局などの救援隊57人、救援装備21台を派遣した。
現場には臨時指揮所が設けられ、交通規制・一時停電・住民避難などの措置を実施。
「内外同時進行・反ろ過圧斜面形成・前方遮断後方排水・圧力誘導併用」という技術を用いて陥没を埋め戻し、
9日午前6時30分までに復旧を完了。周辺では引き続き地盤補強が行われている。
南寧市政府は、郁江(ユー川)沿いの堤防全線を巡視し、異常があれば即時通報・即時処置を指示。
現時点で死傷者は報告されていない。
■ 広西各地で河川増水と地盤災害 当局が緊急体制を維持
CCTVの報道によれば、台風21号は10月5〜6日に広西へ2度上陸し、防城港や崇左などで最高レベルの緊急対応が発令された。
沿海部では一時的に**「五停」(停課・停工・停業・停運・停市)が実施され、住民避難が行われた。
崇左市寧明県では明江の水位が警戒線を1.98メートル上回り、低地で冠水**。
交通規制と航行禁止措置が取られた。
自治区北部の山間地でも地滑り・土石流・冠水が頻発しており、
当局は「堤防巡視」「道路安全点検」「住民避難訓練」を同時に進めている。
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■ 今年の広西、豪雨災害が連続 復旧と防災体制の強化急務
広西自治区では2025年、台風や豪雨による水害・地盤災害が連続して発生している。
7月の台風20号では桂林や玉林で洪水・土石流が起き、
8月には暴風雨で住宅や壁が倒壊する事故も起きた。
今回の台風21号による一連の災害は、
広西が直面する地質脆弱性と防災体制の課題を改めて浮き彫りにした。
当局は堤防強化・河川整備・都市排水能力の向上を進める方針を明らかにしている。