広東省が異例の緊急通知を発出
超大型台風18号(ラガサ)の接近を受け、広東省党委員会と省政府は23日夕方、連名で防颱緊急通知を出し、「全面的かつ迅速に臨戦態勢に入る」と強調した。通知では「叱責を受けてもよいが、泣き声を聞いてはならない」との強い言葉が用いられ、各地に徹底した警戒を求めている。珠海市香洲区では沿海の30階以上に住む住民に強制避難命令が出され、10〜29階の海側住戸も避難対象とされた。
深圳市が40万人避難計画を発動
深セン市は台風接近に伴い、沿岸や低地、工寮居住者を含む40万人規模の避難・安置を計画した。市応急管理局は「2018年の台風『山竹』以来、深圳に最も大きな影響が及ぶ恐れがある」と警告。市民には不要不急の外出を控えるよう呼びかけられ、飲料水や食料、薬品など少なくとも3日分の生活物資の備蓄が推奨された。
内部リンク:過去にも 広東肇慶で歴史的水害 が発生しており、今回も同様に大規模な浸水リスクが懸念される。
広東全体で104万人以上が避難
広東省応急管理庁は23日17時30分時点で、全省で104万4215人が避難したと発表した。深圳市では26万人が避難し、市内に865カ所の応急避難センターが全面開放された。市政府は速食食品40万食、飲料水100万本を備蓄し、簡易ベッドや毛布、衣類も用意。避難住民の一部は地下鉄駅に避難し、4万5000人が避難所に収容された。
救援隊が待機、交通機関も停止
深セン市三防指揮部は同日夜に「台風対策一級応急対応」を発動予定で、消防や民兵予備役、海事、住建部門などから82の救援隊(計1万4000人)が待機。省内では港珠澳大橋や深圳空港の閉鎖、鉄道の全面運休など交通網への影響も広がった。
外部リンク:気象情報は 中国気象局公式サイト によって随時更新されている。
台風がもたらす風雨とその予測
気象当局によると台風18号は珠江口近海を西寄りに進み、海岸線に沿って移動。随時上陸、複数回上陸の可能性があり、正確な上陸地点の予測は困難だという。しかしいずれにしても広東省全域に深刻な影響を及ぼすことは避けられない。24日には粤東や珠江デルタ中南部、粤西で大雨から豪雨、局地的には特大豪雨が予測され、25日も南部を中心に雨が続く見込みである。
内部リンク:すでに 中国4省で豪雨リスク拡大 が報じられており、今回の台風が重なることで鉄砲水や土石流の危険も一層高まるとされる。また、6月には 北京水害で死者44人 が出ており、中国各地で極端気象による災害が続いている。
珠海で風速52.7メートルを観測
24日朝には珠海市内で暴風雨が観測され、香洲区担杆鎮では秒速52.7メートルを記録。広東省気象台は、珠江デルタと粤西地域で風力9〜12級、最大瞬間風速13〜15級、台風中心が通過する地域では16〜17級の突風に達する可能性があると発表した。粤東でも突風10〜11級の強風が予想されるが、正午以降は徐々に弱まるとされる。