北朝鮮、10月に労働党創建80周年記念の軍事パレード準備 習近平主席の出席に注目

北朝鮮で労働党創建80周年記念パレードの兆し

韓国政府関係者によると、北朝鮮が10月10日に執政党・朝鮮労働党の創建80周年を記念する軍事パレードを計画している可能性が高い。韓国聯合ニュースは21日、衛星が7月以降、平壌近郊の美林空港付近に設置されたパレード訓練場上空で、訓練用の部隊編成や移動式発射台(TEL)を備えた車両を繰り返し捉えていたと報じた。人員と装備の規模から判断して、今回のパレードは過去を大きく上回る見通しだという。

金正恩委員長の訪中と習近平主席の可能性

注目されるのは、中国の習近平国家主席が出席するかどうかだ。北朝鮮の金正恩委員長は9月3日、北京で開催された抗日戦争勝利記念の軍事パレードに姿を見せた。このため、今回の北朝鮮側の記念式典に習主席が「回訪」するのではないかという憶測が広がっている。中ロ朝3カ国が軍事的な結束を強める場となれば、国際社会に大きな波紋を呼ぶ可能性がある。過去には北京で軍事パレード 中ロ朝3首脳が初「共演」という歴史的場面もあり、今回の動向はその延長線上にあるといえる。

過去の軍事パレードと今回の特徴

北朝鮮が最後に軍事パレードを実施したのは2023年9月8日の夜から翌9日未明にかけてだった。その際は夜間行事として行われ、国際メディアも大きく報じた。今回の特徴は、規模が拡大するだけでなく、国外要人の参加が想定される点にある。韓国政府は北朝鮮が今年初めから各国の政界要人に招待状を送付しており、複数の高官が既に出席を予定していると把握している。

北朝鮮外交の意図と地域情勢への影響

北朝鮮にとって記念行事は単なる祝典ではなく、国際的な存在感を誇示する外交舞台である。特に、習近平主席が出席するかどうかは、中朝関係の深まりを示す象徴的なシグナルとなり得る。また、米国が関与しない形での地域的な枠組みを強調する可能性もある。実際に過去には「独裁者の宴」習近平軍事パレードが世界的に波紋を広げ、国際秩序の再編を印象づけた事例もある。

国際社会の懸念と今後の展望

もし習近平主席が平壌を訪れれば、中朝の戦略的な協力関係は新たな局面に入る。さらにロシアを含めた「専制的な同盟」がアジアで可視化される可能性も否めない。こうした展開は米国や日本、韓国を中心とする安全保障体制に直接的な影響を及ぼすとみられる。韓国政府は引き続き衛星での監視を強め、準備の進展を注視している。


出典

中央社「韓聯社:北韓籌備10月閱兵 關注習近平是否出席」。

タイトルとURLをコピーしました