広東でカセットコンロ爆発で5人負傷 中国各地で頻発、鍋が大き過ぎるなど使い方に問題か

事故の概要と主催者の対応

広東省東莞市の大嶺山森林公園で行われたキャンプ活動中、カセットコンロが爆燃して5人が負傷し、そのうち2人が入院治療を受けた。さらにICUに入った者もいた。事故は9月18日に発生し、主催者は操作不当が原因だったと認めて謝罪した。

主催者は負傷者を直ちに病院へ搬送し、保険会社へ報告した。医療保険の適用外費用についてもすべて負担し、追加の見舞金を支給した。また参加費の返金や後続対応を完了させ、負傷者との和解も成立した。今後は処理の進展を公表していくと約束した。


中国各地で頻発するカセットコンロ事故

国内メディアは、カセットコンロによる事故が全国で頻発していると指摘している。昨年12月から今年4月にかけて各地で爆発事故が相次ぎ、負傷者や火災を伴った。消防は市民に対し、強風や高温下での使用を避け、複数を並べて使用しないよう警告している。

特に「小さなコンロに大きな鍋」を載せる行為は危険性が高い。熱がガス缶に伝わり、急激に温度と圧力が上昇して爆発につながるからだ。


消防による実験と具体的なリスク

消防の実験では、火を消してガス漏れを再現し、1分後に再点火すると炎が一気に再燃し火柱が立ち上がった。消防員は、残留ガスがある状態で再点火すると轟燃が発生し、やけどや延焼を招く危険があると警告した。10秒程度待ってから再点火することで安全性が高まるという。

また2台のコンロを並べて使用した実験では、ガス缶室の温度が10分で80℃に達し、爆発限界に近づいた。さらに大型鉄板を載せると、圧力保護装置が作動してガス缶が飛び出した。保護装置を外した状態では数分後に爆発し、鉄板が3メートル吹き飛び、木製テーブルの角が破壊された。

別の実験では、ガス缶を覆う大きな鍋を使って加熱した結果、20分後に爆発。破片は20メートル先まで飛散し、威力の大きさが証明された。


安全な使用方法と市民への呼びかけ

消防部門は、次のような注意点を挙げている。

  • 正規メーカーの合格品を選ぶ
  • 使用前にガス漏れや装置の作動を確認する
  • 本体より大きな鍋やガス缶室を覆う鍋を使わない
  • 強風、直射日光、火気、可燃物の近くでは使用しない
  • ガス缶は使い切りで、再充填は厳禁
  • 使用後はガスを完全に抜いてからリサイクルに出す

さらに保管時は涼しく日の当たらない場所に置き、強い衝撃を避けることが求められる。容器が薄いため、損傷すれば漏れや破裂につながる可能性がある。

屋外でやけどや熱傷を負った場合は流水で冷却し、応急処置の後に速やかに医療機関を受診することが推奨される。

国家応急省は「小さなコンロに大きな鍋」を避け、熱源や可燃物から距離を保ち、事故防止を徹底するよう市民に呼びかけている。

出典

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