王毅外相、米国の消極的言動を批判

9月10日、中国の王毅外相は米国のルビオ国務長官と電話会談を行った。王毅氏は、中米両国が「二隻の巨大な船」として航路を誤らず失速することなく前進するには、両国首脳による戦略的指導を堅持し、首脳間の重要な共通認識を割り引くことなく実行する必要があると強調した。
さらに王毅氏は、米国が最近取った消極的な言動は中国の正当な権益を損ない、中国の内政に干渉しており、中米関係の改善と発展を妨げていると指摘した。例えば、ルビオ氏が「中国の台湾に対する強制的措置や南シナ海での影響拡大に深刻な懸念を表明」したり、米国が「中国製品への高関税を検討している政策」などが、中国側から「消極的言動」と見なされている。 特に台湾を含む中国の核心的利益に関わる問題では、米国側に慎重な対応を求めた。
第二次大戦期の協力を想起し「大国の責任」を訴え
王毅氏はまた、中米両国が第二次世界大戦期に軍国主義とファシズム打倒のため肩を並べて戦った歴史を引き合いに出し、新時代においても世界の平和と繁栄のため協力し、グローバルな課題に対応して大国としての責任を果たすべきだと訴えた。
双方「時宜にかなった有意義な通話」と評価
新華社によれば、双方は今回の通話を「タイムリーで必要かつ実り多い」と評価した。両者は、首脳外交が中米関係に果たす戦略的指導の役割をさらに発揮させ、意見の相違を適切に管理し、実務的協力を探り、関係を安定的に発展させる必要があると一致した。
ルビオ氏、建設的対話の継続を強調
米国務省の発表によると、ルビオ氏は通話の中で、一連の二国間問題について米中が常に開放的かつ建設的な意思疎通を行うことが極めて重要だと強調した。また、先にクアラルンプールで行われた協議を踏まえ、双方は世界的および地域的課題についても意見を交わした。
国防分野でも応酬
加えて、9日夜には米国防長官ヘグセス氏と中国の董軍国防部長がオンライン会談を行った。ヘグセス氏は「米国はアジア太平洋地域における重要な利益を断固として守る」と述べ、董軍氏は台湾や南シナ海に触れ「米国による中国抑制の試みは絶対に通用しない」と警告した。
関税問題をめぐる緊張
米中関係をめぐっては、8月に両国が関税戦争の休戦をさらに90日延長することで合意したばかりである。しかし、トランプ米大統領は最近、欧州連合(EU)に対し中国製品に最大100%の関税を課すよう求めており、これはロシアのプーチン大統領に圧力をかける戦略の一環だと報じられている。
関連記事と展望
中米関係をめぐる動向は台湾や海軍活動にも直結する。例えば過去には「中国、東岸で軍事基盤拡張 米紙『台湾攻撃能力を強化』」と報じられた事例もあり、軍事・経済両面での対立が複雑に絡み合っている。今後も両国が首脳外交を軸に、衝突を避けつつ協力の道を探れるかが注目される。
出典
- 新華社報道
- 米国務省公式発表
- 中央社「王毅與盧比歐通話:美近期消極言行不利兩國改善關係」
https://www.cna.com.tw/news/acn/202509110030.aspx - 星島頭條「王毅與魯比奧通話-雙方認同通話及時必要且富有成效」
https://www.stheadline.com/realtime-world/3498291/