中国、米国製光ファイバーに高関税 台湾勢に転注期待

 中国商務省は9月3日、米国から輸入される一部の光ファイバー製品に最大78.2%の反ダンピング関税を即日導入すると発表した。台湾の経済日報などが伝えた。


 商務省の声明によると、対象は一部の「カットオフ波長シフト・シングルモード光ファイバー」。調査の結果、米メーカーが貿易形態を変えて輸出を続けており、既存の反ダンピング措置の実効性を損なっていると判断。迂回(うかい)行為に当たると認定した。2028年4月21日まで課税を継続する。

 税率はコーニングが37.9%、OFS-Fitelが33.3%、ドレイク・コミュニケーションズが78.2%に設定された。
 この製品は長距離通信や幹線網、CATV、光回線の基幹部分に使われる重要素材であり、中国市場での影響は大きい。商務省は、今回の措置は国内企業の申請を受けて今年3月に開始した調査に基づくもの。中国初の迂回防止の調査と位置づけている。反ダンピング税は輸入価格に税率を乗じて算出し、関税を加えた額を基準に付加価値税も課される。

 今回の決定は米国がサムスン電子やSKハイニックス、台湾TSMCの中国工場に対する設備輸出の適用除外措置を撤回し、半導体分野での規制を強めた直後に発表された。業界関係者は、北京による「大規模な反撃」と受け止めており、光通信分野にとどまらず、人工知能(AI)向け光通信モジュールなど成長分野にも波及する可能性があるとみる。

 中国市場では米国勢のシェア低下が不可避とされ、台湾の線材大手に注目が集まる。華新、華栄、大亜はいずれも光通信向けの供給体制を整えており、米国勢の受注減を取り込む「転注効果」が期待される。特に中国での事業展開が大きい華新は、最大の恩恵を受けるとの見方が強い。

◇出典

美中科技戰 燒到光通訊 華新、華榮等有望迎轉單 | 產業熱點 | 產業 | 經濟日報
大陸商務部公告,對以康寧為首的美國光通訊廠「截止波長位移單模光纖」產品銷陸課徵最高78.2%的反傾銷稅,即日起生效。相關...
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