中国は9月3日、抗日戦争勝利80周年を記念する大規模な軍事パレードを北京で開催し、習近平国家主席のほか、ロシアのプーチン大統領や北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記を含む26カ国の首脳が招かれた。米国のトランプ大統領は軍事パレードを「美しい儀式で、非常に印象的だった」と称賛しつつ、習主席の演説で米国の貢献に触れられなかったことに遺憾の意を表明した。台湾紙の聯合報などが伝えた。

ホワイトハウスの記者会見でトランプ氏は「私は理由を理解している。彼らは私が軍事パレードを見ることを望んでおり、私は確かに注目していた」と語った。また「習主席は私の友人だが、米国は中国を大いに助けた。演説で触れられるべきだった」と強調した。
トランプ氏は軍事パレードの数時間前、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿し、第二次世界大戦中に「多くの米国人が中国の勝利と栄光を支えるために命を落とした」とし、「彼らの勇敢さと献身が正しく記念され、尊重されることを望む」と記した。さらに「習主席と偉大な中国人民が良き祝賀の日を迎えることを願う」としつつ、「プーチンと金正恩に私から誠実なあいさつを伝えてほしい。ちょうど米国に対抗する陰謀を練っているその時に」と皮肉を込めた言葉を加えた。
一方でトランプ氏は、北京が米国に対抗する国際同盟を構築する可能性を問われ、「まったく心配していない」とし、中国は米国を必要としていると述べた。さらに米国が「世界で最も強大な軍事力」を保持していることを強調し、自信を示した。
トランプ氏は、習近平、プーチン、金正恩の3首脳との関係が「非常に良好」であるとも述べ、今後1~2週間の間にその関係の強さが試されるとの見通しを語った。
今回の軍事パレードをめぐり、トランプ氏は中国の式典自体には好意的な評価を繰り返しつつも、米国の歴史的貢献が顧みられなかった点を強調し、国内外に強いメッセージを発した形となった。



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