中国の不動産研究機関・中指研究院の統計によると、2025年8月の100都市中古住宅平均価格は1平方メートル当たり1万3481元で、前月比0.76%下落、前年比7.34%下落となった。一線都市でも前月比0.55%下落、前年比4.17%下落と続落した。中古住宅市場は新築住宅よりも実需を反映するとされ、需要の低迷が鮮明になっている。中国メディアの証券時報などが伝えた。

一方、新築住宅の平均価格は1平方メートル当たり1万6910元で、前月比0.20%上昇、前年比2.73%上昇となった。北京や上海など「一線都市」では前月比0.48%上昇、前年比6.88%上昇と伸びを見せ、改善型需要向けの新規供給が相場を支えている。
主要100社の1~8月累計販売額は2兆3270.5億元で、前年同期比13.3%減となった。前年割れは1~7月と同水準で続き、販売不振が業界全体を圧迫している。こうしたなか、各地は相次いで規制緩和策を打ち出している。北京と上海は限購を緩和し、北京五環外や上海外環外での購入は件数制限なしとした。蘇州では転売制限を撤廃、広西では上限価格制度の調整や低月供商品の投入を進めた。
中指研究院は、9月は例年政策が集中して出る時期であり、不動産市場の「下落を止め安定させる」を目標に、新たな支援策が加速する可能性があるとみている。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が高まるなかで、中国の金融政策余地も広がるとの見方がある。不動産市場は「金九銀十」と呼ばれる販売旺季に入り、主要都市では不動産会社の供給が加速し、市場の活発化が一時的に進む可能性がある。
米ゴールドマン・サックスは6月の報告で、中国の住宅価格は過去4年間で20%下落したが、まだ底打ちしていないと分析。2027年までにさらに10%下落する可能性を指摘した。多くの都市では頭金に匹敵する下落幅となり、投資需要を冷え込ませるリスクを強調している。
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