在中日系企業の4割「景況感が悪化」 「安全」に懸念

 中国日本商会は22日、北京で会員企業を対象にしたビジネス環境アンケート調査の結果を公表した。調査によると、今年上半期の景況感について「悪化」「やや悪化」と答えた企業が全体の4割に上り、前回調査から10ポイント増加した。調査ではまた、従業員やその家族の中国での生活・勤務に関する人身安全が、ビジネス環境満足度調査で「最も改善を望む項目」として挙げられた。



 アンケート調査の景況認識では、今年上半期に「改善」「やや改善」と回答した企業は26%にとどまり、前回より1ポイント減少した。調査対象は約8000社で、今回の有効回答は1434件だった。従来は四半期ごとに実施していたが、現在は半年に一度となっている。

 経営上の課題では「販売価格の下落」を懸念する声が6割と最も多く、「人件費の上昇」を挙げた企業も58%に達した。

 台湾の中央通信社などによると、中国日本商会の本間哲朗会長は22日、調査結果の発表の際、中国市場に広がる「内巻き型競争」(過度の価格競争や消耗戦が悪循環に陥る状態)について「非常に深刻で、日系企業共通の悩みになっている」と述べた。価格競争は理性的な競争ではなく、企業は付加価値の向上や差別化設計によって競争力を高めるべきだと指摘した。政府も規制や呼びかけを繰り返しているが、顕著な成果はまだ見られないという。そのうえで、日系企業は価格下落の局面を利用して部品や消耗品の調達コストを抑え、競争力強化につなげる工夫も必要だと提案した。

 アンケート調査の事業環境に関する認識の調査で「改善してほしい項目」として「安全・安心」が挙げられた。回答には「安全・安心な生活環境に不安があるため、日本から駐在員を派遣できない。また家族を帯同できない」「反スパイ法に関して、詳細な基準を公表して欲しい。外国人拘束事件の理由が明らかにされないため、日本からの出張者が少なくなっている」といった声が出た。

 本間氏は記者発表の際、7月に江蘇省蘇州市で日本人女性が襲撃され負傷した事件に触れ、「在中日系企業にとって従業員とその家族の安全は事業展開の大前提だ」と強調。中国日本商会として、日本政府や在中日本大使館・領事館、中国政府に対し、日本人の安心と安全の確保を引き続き強く求めていくとした。「事件の背景を含めた詳細情報を迅速に公開するよう求める。私を含め、今後も機会あるごとに呼びかけを続ける」と述べた。
 また、7月に日本企業幹部が「スパイ活動」に関与したとして中国の裁判所から懲役3年半の判決を受けた件についても商会は懸念を表明。本間氏は「日系企業はどの国や地域でも法律を順守することが経営活動の基盤であり、社会的責任だ。企業は従業員の安全と安心を確保する義務がある」と述べ、「今後も中国の法律の枠組みの中で、透明性の高い司法判断を求めていく」と強調した。

◇出典

https://www.cjcci.org/userfiles/JP_cjcci_questionnaire_20250822.pdf
中國日本商會:內捲式競爭為在中日企帶來挑戰 | 兩岸 | 中央社 CNA
中國日本商會會長本間哲朗表示,「內捲式」競爭為在中日企帶來挑戰,政府祭出相關約束,目前尚未有明顯效果;在中日企員工擔憂在中工作的人身安全問題,呼籲中國政府重視。
在華日企四成感景氣惡化 商會憂內捲
中國日本商會上周五(22日)在北京公布營商環境相關問卷調查結果,四成受訪企業對於今年上半年企業景氣感到「惡化」及「略微惡
4成日企感營商惡化 商會:內卷式競爭成挑戰
中國日本商會會長本間哲朗表示,中國市場的「內卷式」競爭對在華日企構成重大挑戰,儘管政府出台相關約束措施,但尚未有明顯效果。同時他稱日企員工擔憂在華工作與生活的人身安全,呼籲中國政府重視並採取行動。 員工憂心工作與生活人身安全 中國日本商會前...
タイトルとURLをコピーしました