中国メディアの極目新聞によると、中国国家疾病予防管理局12日、2025年版の「チクングニア熱防止・管理技術指南」を公表し、広西チワン族自治区をチクングニア熱の流行リスクが最も高い「防止・管理1類地区」に格上げした。最高リスク区域で、広東と同じ水準となる。既に指定されている広東、浙江、福建、海南、雲南と合わせ、計6省区がⅠ類に入った。各地では媒介となる蚊の駆除や侵入防止策などの感染防止措置が強化されている。

チクングニア熱はチクングニアウイルスによる急性伝染病で、主にネッタイシマカやヒトスジシマカが媒介する。感染経路や流行の特徴はデング熱やジカウイルス感染症に似ており、人から人への直接感染は起きないが、「人、蚊、人」の循環で拡散する。蚊はウイルス血症期の人や動物を吸血すると体内でウイルスが増殖し、2~10日の潜伏期を経て再び感染を広げる。ごくまれに出血や脳炎、脊髄炎などの重い合併症を引き起こし、死に至ることもある。
同局は、媒介蚊の活動期間が長く、過去にデング熱の地元感染例が多く報告され、集団感染の発生リスクが高い地域を1類と定義している。中国本土でのチクングニア熱の確定患者は既に8000人を超え、マカオや香港、台湾にも拡大している。国内では広東のほか、北京や湖北、湖南などでも患者が確認されている。
広東省疾病予防管理局によると、同省では直近1週間の新規患者数が連続して減少しており、感染の中心地である仏山市の流行は抑制傾向にある。
感染予防には、まず水たまりをなくすなど発生源対策が重要。蚊は卵、幼虫、さなぎ、成虫の順で成長し、最初の3段階を水中で過ごす。産卵は1回に200~300個で複数回産卵し、約10日で成虫になる。家庭では植木鉢や容器の水を捨て、網戸や蚊帳の利用、電気殺虫器などで室内侵入や刺されるのを防ぐ。市販の蚊取り線香やエアゾール型殺虫剤も効果的とされる。
◇出典

◇参考情報
○広東でチクングニア熱流行続く 仏山は急増抑制
○チクングニア患者7千人突破=米が警告レベル引き上げ
○広東でデング熱患者119人 チクングニア熱も拡大中